ツンデレ88 ページ38
「柚、ちょっと良いかえ?」
「あ、はい!」
部屋に戻ったら直ぐ姐さんに呼ばれる。
二人きりになった所で、話を切り出された。
「お主等が居らぬ時に話し合うたのじゃがな、私等が男共の良い所と悪い所を書き出しお主の参考までに冊子を作ろうと思うての」
「へ?」
「私等なりに、お主が一番幸せになれる人間を見付ける手伝いをしたいと思うてのぅ」
「姐さん……っ!!!」
優しさにまた涙が溢れそうになった。
引き寄せられ、姐さんの匂いに包まれる。
「彼奴等はお主の事を本当に好いておる。特にポートマフィアの者や太宰はお主の為ならば凡そ何でもするじゃろう。鴎外殿が如何かは知らぬがな」
「森さん?」
何故森さんまで出て来るのかと思ったら姐さんが咳払いをして何でも無いと云った。
何なのだろうか。
「まぁそんな事は如何でも良い。して柚。私等は冊子を作るという事で良いかの?」
「おっ、お願いします!参考にしますね」
その時、もう少し私は姐さんを疑うべきだった。
ポーマフィアで培われた演技力を、私は全く考えていなかったのだ。
後日。
「柚さーん!冊子が出来ましたわ!」
にこにことナオミちゃんが持って来て呉れたのは、慥かにそれぞれの良い所悪い所も書かれていたが、これを書いたのが誰か判るまでのゴリ押し具合。
その人その人の好みの服装などまでバッチリ書かれている。
…………何これ。
「え、ナオミちゃん此…」
「貴女に好意を持つ探偵社男性陣とポートマフィア男性陣に聞き込みしましたら、快く色々と教えて下さいましたの!ナオミ達の頑張り、ちゃぁんと見て下さいましね」
ぐいぐいと手渡された辞書の様な分厚さの紙の束。
最早此は冊子では無い気がする。
有難く受け取ったが、読むのには時間が掛かりそうだ。
ご丁寧に目次まである冊子──心の中では此から辞書と呼ぼう──を、私はずっしりと抱き抱えた。
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果鈴 - めっちゃ面白かったです。テスト期間なのに夢中で読んじゃったです (2019年9月30日 17時) (レス) id: 5b8fccba8f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 葡萄シャーベットさん» 葡萄シャーベットさんありがとうございますー!落ちは中也さんも太宰さんも全員分書かせて頂きますー!!!気長にお待ち下さいませ! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 傀儡さん» 傀儡さんありがとうございますー!!落ちは全員分書かせて頂くので!遅筆、雑文ながらに頑張りますので気長にお待ち下さいませ!! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 妃薫。さん» 妃薫。さんありがとうございます!!落ちは中也さん含める全員分書かせて頂くつもりですのでお待ち下さいね!! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 鶴夜さん» 鶴夜さんありがとうございます!神では無いですよー!!笑 落ちは全員分書かせて頂くので気長にお待ち頂けたら幸いです! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
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