ツンデレ66 ページ16
何で私が叩かれるの
何で私が怒られるの
何で私が
「…んで……?」
俯いて、涙を零す。落す。染みを作る。
上から、態とらしい溜息が聞こえて来た。
「莫迦な程鈍いと思っていたら真逆君がこんなに愚かな答えに辿り着いてしまうとは思ってもいなかったよ」
頭に血が上るのが判った。
其の侭の勢いで、私は彼に掴み掛かる。
「…んで、何で!そう思う事の何が不可ないの!?いつもいつもいつも!太宰君は意見がコロコロ変わるし乱歩さんは私の事都合の良い歩く財布としか思って無いし中島君も谷崎君も私の事女だと、寧ろ人間としても見て呉れないじゃない!!其ならアンタ達は何なの?!私と同じ様に言葉を話して私と同じ様にご飯を食べて私と同じ様に生きてるのに!!!」
太宰君の胸倉を掴み叫ぶ。
そう、そうだ。私は間違った事なんて云ってない。
皆も悪い。私も悪い。
でも、其でも私だって。
「私だって与謝野さんや春野さん、ナオミちゃんや鏡花ちゃんみたいに可愛かったら何か変わった?!ねえ!変わったの?!私みたいな醜女で攻撃的で、女とも云えないガサツな奴が居たら探偵社には迷惑?!如何なのか答えてよ!」
ぼろぼろと涙を零し乍ら云う。
今の私はさぞ、さぞや醜い顔をしているだろう。
元が良くないのに、きっと化粧だって落ちて、化物みたいな顔なんだろう。
太宰君の胸板を何度も叩いて嗚咽を洩らす。
そして、云ってしまった。
「私が、此処に来たのが間違いだった」と。
誰かが息を飲む音がした。
でもそんなの今の私には関係無いし、云って何かが変わる筈も無い。
そんな時、ヒールの音がして、誰かが私の後ろに立つ気配がした。
太宰君に凭れ掛かる様にして泣いている私は到底気付かない。
誰も、何も云わない。
「済まんね、柚」
後ろからそんな声が聞こえたかと思えば、ぐんっ、と腕が引かれ其方を向くと同時にまた頬が張られた。
太宰君のよりは軽い痛みを感じた。
一気に、頭が冷える。
「よ、さの、さ……?」
「いい加減にしな!」
与謝野さんの大声に肩が揺れる。
また涙が溢れた。
その途端に抱き締められる私の躰。
「アンタは、探偵社である以前に、妾の大事な友人で、後輩なンだよ。頼むから、そんな事は云わないどくれよ」
その声と重なる様に、誰かが後ろから擦り寄って来た。
「そうですわ、柚さん。ナオミは貴女の事が大好きですもの。だからそんな事は云わないで下さいまし」
「な、おみちゃ……」
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果鈴 - めっちゃ面白かったです。テスト期間なのに夢中で読んじゃったです (2019年9月30日 17時) (レス) id: 5b8fccba8f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 葡萄シャーベットさん» 葡萄シャーベットさんありがとうございますー!落ちは中也さんも太宰さんも全員分書かせて頂きますー!!!気長にお待ち下さいませ! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 傀儡さん» 傀儡さんありがとうございますー!!落ちは全員分書かせて頂くので!遅筆、雑文ながらに頑張りますので気長にお待ち下さいませ!! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 妃薫。さん» 妃薫。さんありがとうございます!!落ちは中也さん含める全員分書かせて頂くつもりですのでお待ち下さいね!! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 鶴夜さん» 鶴夜さんありがとうございます!神では無いですよー!!笑 落ちは全員分書かせて頂くので気長にお待ち頂けたら幸いです! (2017年6月24日 14時) (レス) id: baffe8ba31 (このIDを非表示/違反報告)
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