もう少し優しくなれませんか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ52 ページ2

「あのー」

「何だい？」

「私いつ帰れます？」

エリスちゃんが遊び疲れて寝てしまった後、膝の上で寝る彼女を撫で乍問う。

森さんは動画を撮っている。

因みに、中也君やあくちゃんも壁際で控えていますね。

「そうだねぇ…もう一生居るかい？」

「この問答前にもしませんでした？」

「心変わりすればいつでも連絡をするのだよ」

「会話のキャッチボールをお願いします」

“でもねぇ…”不意に森さんが口を開く。

ちらりと控えている二人を見て、また視線を戻す。

「彼等も君には大いに懐いているし私も君の事は好きだ」

ガンッと向こうで音がする。

見ると、中也君が壁に頭を打ち付けていた。

あくちゃんは無表情。矢っ張り治君の事しか頭に無いなぁ。

厭待てよ。呼び方別に心の中だし太宰君で良いか、良いよね。

あくちゃんほんと太宰君の事しか頭に無いよね。

「有難う御座います。でも矢っ張り私は人を救う仕事で生きていきたい」

「……余りしつこい男は嫌われてしまうし、今日の所は引くとしようか。其と中也君、其処の壁の修理代、君の給金から引かれたく無ければ徐々止めなさい」

「申し訳ありません首領」

あ、引かないんだ。

ポートマフィアちゃんと引かないんだ。労働基準法ちゃんと守るんだ。凄い新発見。

「んぅ……」

エリスちゃんが少し顔を顰める。

私は頭を撫でたら落ち着きはしないかと子守唄の様なものを歌い乍頭を撫でた。

エリスちゃんはまた穏やかな顔に戻った。

何の夢見たのかな…。起きたら聞いてみよう。

「良い母親になりそうですね、柚さん」

「そう？なら今の場合旦那さんは森さん？」

クスクス笑い乍云うと、今度はあくちゃんが顔を顰めた。

頭を撫でてみる。

少しあくちゃんの周りの空気が華やいで、まぁ癒しだと再認識しましたね。

「柚君の旦那さんだなんて嬉しいねぇ」

「冗談ですから御心配無く」

「矢張り中年だから…」

「何か近所の面倒見の良い街医者さんの想像(イメージ)が抜けきらなくて」

安心した様に森さんが顔を綻ばせた。

何か可愛いと不覚にも思ってしまった。

「おい」

「何？中也君」

「面皰(にきび)治ったかよ」

「そう！聞いて！治ったの！！！！」

突然大きな声を出したからかビクッと肩を揺らす中也君。ごめん。

でも中也君に云われてめちゃくちゃお手入れ頑張ったんだよ。

「…そうか、良かったな」

心做しか落ち込んだ中也君。其処は喜んでよ…。

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