九話 ページ9
次の日、朝からポアロに行った。
すっかり顔馴染みとなった梓さんと、今日は零さんこと安室さんが居る。
にこりと笑い掛けられたが、昨日の零さんと違い過ぎやしないだろうか。公安怖い。軽く会釈をして、既に窓際のボックス席に居た美女三人に「ごめん遅れた〜」と声を掛ける。
「おや、知り合いですか?」
「クラスは違うんですけどね!ね〜柚!」
「はい!」
園子ちゃんに言われ、私も笑いながら“安室さん”に顔を向けた。
どこかいたずらを思い付いた少年の様な目をしているのは気付きたくなかった。嫌な予感で背筋が冷える。
「酷いじゃないか柚。蘭さんたちと知り合いなら言ってくれたら良かったのに」
降谷零が滲み出てますよ貴方も出禁にしてやろうか。
引き攣った笑みを浮かべるのに対し、零さんはにっこりと笑う。隣で園子が「えっ?!?!」と酷く驚いた様な声を出した。
「ちょちょちょちょっと柚!安室さんがタメ口?!親しい仲なの?!詳しく教えなさいよ!!」
「私も聞きたい!」
きらきらとした瞳を向けられながら遠い目をする。
あっ、もう出禁にしよう。方言じゃなくて懇切丁寧な敬語でlineは全部返してやろう。
「や、やだな、隣に住んでる人の友人でよく会うだけだよ」
「昨日も皆でご飯食べたしね」
「横槍の殺傷能力半端ないんでやめて貰って良いですか?」
何の事かな、と素知らぬ振りをする安室さんをじとりと見れば真純ちゃんさえも驚いた様に仲が良いんだなと言う。
違うんです弁解させて下さい。お兄さんがこの人たち連れて来るだけなんです。
「ちょっと柚!皆って誰よ?!まっ、まさか全員男?!」
「そ、うだけど…全員一回り上だよ…?」
「バカね!愛に年齢は関係無いわよ!で、で、誰が一番好きなの?ていうかどんな人?!安室さんはどう?!」
「園子…酔う…」
ガクガクと肩を揺さぶられながら、一つずつ少し濁しながら答えた。
好きとかはよく分からないし、大切な兄みたいなものだから、と言えば零さんに頭を撫でられた。周りの目もあるのだから本当に勘弁してほしい。
「君が越して来て七年だもんね。昔は透お兄さん!って抱き着いてくれたのになぁ」
「私の過去捏造しないで貰えますか」
「ん?越して来て、って事は君も転校して来たのか?」
真純ちゃんが仲間と言わんばかりにぱっと顔を輝かせる。可愛い。
「小四の時に父の転勤でね」
「彼女の方言、とても可愛いんですよ」
「貴方本当に黙ってて貰えますか」
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トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
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