七話 ページ7
夕飯後、少しのんびりしている五人を放ったらかしにして私は端末で警察官について調べる。
二人がどんな仕事をしているのか気になるから。
「それ後じゃ駄目?」
「駄目です」
「今じゃないと駄目?」
「はい」
構ってよと言わんばかりに肩にぐりぐりと額を押し付ける二十九歳児。
大人なんだから子供一人が構ってくれない位でそんな行動しないで下さいよと言いたいけれど、今は端末の文字を追うのに忙しいから何も言わない。
お兄さんは私が気になったら分かるまで調べるタイプだと分かっている為、多分テレビでも見ながらのんびりしているのだろう。
警察官についての説明をスクロールしている時に、ふと気になるものを見付けた。
公共の安全を維持するために設けられた警察内の一部門。
───公安。
スクロールしていた手を止め、文章をじっくりと読んでいく。
「警備警察…公安警察…?警察庁警備局警備企画課に警視庁公安部……へぇ…ゼロって日本の公安警察官の三分の一以上統括してるんだ…すご…」
誰かが私の意識の端で息を飲んだのが分かった。
もしかして、と思いながらも更に別のページへ飛びながら情報を見ていく。
「国家試験に合格し…警察学校で上位の成績を収めた者だけがなれる…何それ強…」
気付けば研二さんは隣に座って私の端末を覗きながら何も言わなくなっていた。きっとこれが答えだろうと確信する。
「公安警察官は他部門の警察官を含む部外者に本名や所属を名乗らない…警察内部でも秘密主義的……やっぱこれだ」
ざっと見た所公安警察官以外に本名を名乗らない様な部門は無い。やっと見付けた、嬉しくて顔が輝く。
零さんと景光さんに答え合わせをとそちらを見れば、二人が床に倒れ伏していた。
「ゼロ…柚がゼロって言った…凄いって…」
「俺潜入捜査頑張って良かった…」
「そろそろ止めないとお前等本当に柚に距離置かれるぞ。素で気兼ねなく話せる子だからってあんまやり過ぎんな?」
「あの…答え…」
二人に声を掛けるも聞こえていない様だ。
むっと眉を顰めれば、研二さんが私の頭を撫でながら言った。
「正解だよ〜。流石だなぁ柚ちゃん。伊達に俺たちと長年一緒に居るだけあるわ」
「なんか…死んでません?」
「放ってて良いと思うよ」
「公安って大変みたいだし精神的にもお疲れなんですね…いつもありがとうございます」
床に沈んだから一応拝んだ。
「柚ちゃんのはにかみの破壊力ヤバくない?」
「それな」
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トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
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