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五話 ページ5

対爆スーツを着ないあほんだらは放って置いて、お兄さんと何でもない様な話をしていたら十分程してまた玄関のチャイムが押され、今度は私が出る様に言われる。

仕方無しに席を立ち覗き窓を一度覗いて零さんと景光さんが居るのを確認して扉を開けた。

「え…」

と二人の絶句する声が聞こえる。

同じ様に“え”と返せば、取り敢えず混乱しきった零さんにチョコレートを渡された。

本当に買ってきてくれたんだ、と頬を緩ませれば景光さんが「夢じゃない…」なんて呟きながらぽんぽんと頭を撫でる。

私の存在が先程から幻覚だか夢だかにされている事に若干の不信感を覚えながら中に入って貰うとようやく正気に戻った零さんが三度見してきた。

やっぱり安室透と同一人物なんて思えないなぁ。あんな猫五万匹被った様な顔出来るのかこの人。

「……何で居る?!」

「お兄さんに呼ばれたんですけど…チョコでも食べながら酔っ払いのお相手するんですよ」

「いつもはゼロ飯で誘っても来ねぇけどな。あ、降谷の買ってきた高級チョコは全部柚のな」

「それは構わないが…ああ、そうか、そういう…だからそれ…成程…」

お兄さんに補足されてどうやら合点がいった零さんがふと私を見る。

何を言いたいのかよく分からずに首を傾げれば景光さんが「今日は方言で話して欲しいってさ」と翻訳してくれる。

いや見詰められても分からない。

幼馴染ってすごい。

「それくらいなら…まぁかまんがですけど、ってちょっと怖っ、いきなり顔輝かせんといて下さいよ!」

「方言柚好いなやっぱり!周りにお前の方言で話せる人間が居ないから嬉しいぞ俺は!」

「少し言葉の意味が古典と似ちょるだけですけど?!」

犬の尻尾が見えそうな程に顔の輝いた零さんが「それが大事なんだろう!」と日本大好きな所をまたアピールしてきたからそうでしたねと返す。

そんなこんなでまだ仕事をしている伊達さんを待つ間に零さんと景光さんが並んでご飯を作り始めた。

熟年夫婦みたいに「アレ取って」「ん」とやっているのを眺めていたら、“あのバカ共の相手をしてやってくれ”と言われ、後ろでぎゃいぎゃい騒いでいる二人の間に割り入った。

「柚ちゃん〜!松田が柚ちゃんの事いっつも一人占めにするんだよ!?ズルいよね!?俺たちにとっても君は妹みたいな存在なのに!」

「しょーもな「くないよ!」……近所の優しいお兄さんレベルでは見てますよ」

「えっ、じゃあ出禁は「一週間ですよ」ハイ…」

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トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月10日 18時

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