番外編 謹賀新年其ノ壱 ページ30
「…園子ちゃん寒ない?」
「そりゃ寒いわよ!でも女子高校生たるもの初詣にこれくらいはやらなくちゃ!ほんとは振袖着るつもりだったんだけど、世良さんもアンタも着ないって言うからさ」
「でもこの極寒でタイツ履いてるとは言え短パンはやばいで…」
一月二日。親戚回りやらを昨日の内に済ませていつものメンツで初詣に来たは良いものの、園子ちゃんの格好がざまに寒そうで見ているこちらも寒い。
寒そうと言えば真純ちゃんもそれなりに寒そうではあるんだけれども、まだジーンズなだけマシに見える。
「にしてもアンタも相当暑くない?何か凄いもこもこしてるわよ」
「あれ、私冷え性ながって言わんかった?」
「そう云えば柚君とお昼話してる時に言ってたね。確か…二週間前かな?お昼に弁当作れなかったからってコンビニで買って来たおかかのお握りを食べながらね」
「こ、細かい所まで覚えちょるね…そこは恥ずかしいけん言わんといて…」
おっと、と言いながら笑う真純ちゃんと一緒になって笑っていた蘭ちゃんが、ふと私の背後に目を向けて小さく頷く。
不思議に思って振り向こうとすれば、誰かに目を塞がれた。とても冷たい手だ。
「だーれだ?」
「研二さんですね分かります手離して下さい冷たいです!!!」
「だいせいか〜い!流石柚ちゃんだね!」
「いや声で分かりますから…って、は、研二さん何でその服着てるんですか…?刑事部ですよね…?」
「機動隊は殆ど歩行者天国に駆り出されちゃってこっちが手薄でね。だから俺たちも急遽命じられて見回り中でーす♪」
似合う?似合う?と言いながら私の前で帽子をくいっと上げる研二さんだが、私は最早気が気で無い。
仕事中なのに何で来たのかだとか見回り真面目にやるべきだろうとか彼と私に集まる視線も含めて。
ぐるぐると思考を巡らせていたら、今度はお兄さんが来た。研二さんの頭に一発かまして「…あれ?柚じゃねぇか」と言いながら私の着込んだ姿を見て相変わらずだな、と苦笑を浮かべていた。
「明けましておめでとう」
「あ、えっと…はい、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします」
「おう。取り敢えず怒られる前にコイツ連れて見回りしなきゃなんねぇからもう行くな。勝手に動きやがって。あ、前にも言ったけど今日の夜は空けとけよ。じゃあな」
「陣平お兄さんもお気を付けて」
頭を一撫でして研二さんを引きずっていくお兄さん。
この後めちゃくちゃ問い詰められた。
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トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
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