【名探偵コナン】田舎から引っ越して来たら隣の家のお兄さんが警察官だった

二十四話 ページ24

着拒した後、ハムサンドを食べながらポアロでゆっくりしていたら、不意に真純ちゃんが私の頭を撫でた。

「んむ？」

もぐもぐと咀嚼しながら首を傾けると、真純ちゃんはぶはっと吹き出し、それから優しく微笑んだ。

「いや、やっぱり昔馴染みな人と会うと、君は表情が柔らかくなるなと思ってさ」

「へ…そ、そう…？」

「安室さんと昔馴染みなんて本当羨ましい限りだわ〜！きっと昔からあんなに優しい人だったんだろうなぁ」

うっとりと手を合わせる園子ちゃんに、心の中でだけ彼は般若を背負ったただのほんわか詐欺男だよ、と答える。

実際には「よくお兄さんたちと面倒見てくれたし、優しいよ」と端的に答えたが。般若だなんて言った暁には後でウメボシされかねない。ベビーフェイスゴリラやけん。

「あれ？そう言えば柚ちゃんって萩原刑事の事研二さんって呼んでなかった？何で安室さんは安室さんなの？」

蘭ちゃんの発言に思わず固まる。

安室さんは零さんとイコールがどうにも出来ない。

けれど零さんと呼ぶわけにもいかないし、安室さんは安室さんで良いかと私自身思っていたけど、言われてみれば他の人は名前で呼んでいるのに安室さんは苗字となると違和感はある。

真純ちゃんも気になっていた様で同じ質問を私にしてきた。

「えー…その…えっと…なんていうか…」

「柚は僕と知り合いとバレるのが恥ずかしいんですよ」

しどろもどろになっていると、後ろから零さんが顔を出した。気配の無さに声も出せずに驚く。

「会うといつも他人のフリをするものだから少し松田たちに妬いてしまいますね。少しは外で僕と話してくれても良いと思うんだけどなぁ…ね、柚？」

「いや、ちょ、近…」

顔から血の気が引くのが分かる。

これはとても怒っている。もしかして前お兄さんと研二さんと一緒に帰った事がもう耳に入っているのか…？

それにしても目は口ほどに物を言うなぁ！

「悩んでるなら僕にも相談するんだぞ」

耳元でぽつりと囁かれた言葉に呆気に取られていると、零さんが私から離れてにっこりと笑った。

「柚は昔から溜め込みやすいんだから、少しは大人を頼るんだよ」

「……はーい」

ぽん、と頭を一撫でされ、零さんは仕事に戻った。

その後興奮しきった園子ちゃんに怒涛の恋話をされていたら、六時頃に景光さんが迎えに来た為、また明日問い詰められるんだろうな、と思った。







「私子供やないんですから…」

「俺たちにとっちゃまだまだ子供だよ」

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