十九話 ページ19
お兄さんたちと話をしている内、いつの間にか引越しの不安とか諸々が消えていた。
母の過保護さは行き過ぎだとお兄さんたちにも言われて少し納得した。やっぱり厳しいがや、と頷きながらどう説得しようかと考える。
セキュリティ万全な所に住むと言っても学生の一人暮らしにそんなにお金が払えるとは思えないし、家賃もバイトでなんとかなる家に住みたい。
「今日お前の両親帰って来るの何時だ?」
「えっと…八時ですかね…」
「じゃあ晩飯食ったら呼べ。話がある」
「俺も居て良い?松田の話の補足するから」
真剣な顔で言うお兄さんと、にっこり笑う研二さん。
二人とも何か案が…?でも今まで私の話聞いてるだけで二人は特に一緒に話したりなんてしてなかったのに。
あ、でも八時まではまだ一時間半はある。その間に決めるとか?
「じゃあ夕飯作るので一旦帰りますね。九時頃お呼びすると思います」
「おー、それまでにこっちも色々纏めとくわ」
「はい。じゃあまた後で」
自分の家へ帰り、夕飯の支度をしながら考える。
二人がどんな提案をしてくれるのかとか、私も最終的には土下座すれば許して貰えないかなとか。
そうして作り終えて両親の帰りを待っていると、まず父が帰って来て、軽く話をした。
父はやはりこの家に残っても良いと言う。家賃も自分たちが出すから端末代はそろそろ私に任せると。
その後母も帰って来た。
私は、陣平お兄さんと研二さんが話があるらしいから九時頃に呼ぶと伝えた。
少し驚いていた様だけど、父も母も「わかった」と案外快く承諾してくれた。
他愛無い話をしながら夕飯を食べて、父が洗い物などを済ませてくれて、あっという間に九時になった。
電話もなんだからと隣の部屋に呼びに行けば、先程とは違ってカッチリとスーツを着こなしていた。
え、そんな真面目な話なん。
「お邪魔しまーす」
研二さんが飄々と入って行くのを追い掛けてリビングの扉を開けて二人に入って貰うと、父も母も驚いた様で顔を見合わせていた。
「お前の今後に関する話だ。柚も此処に居ろ」
お兄さんは私を隣に座らせ、椅子は四つしか無い為研二さんは私の後ろに立っていた。
鉛の様な空気に緊張していると、父が「話とは?」と聞いた。
切り出すの早いな父さん。
お兄さんが何を話すのかと思えば、私の肩を抱き言った。
「引越しの件、娘さんは留まりたい様ですし、私の部屋にてシェアハウスという形を取らせて頂けないかと」
思考停止した。
763人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ