十三話 ページ13
「あ、そう言えば柚の家って行った事無いけど、どの辺あるの?」
「え?ああ…向こうの方のマンションだよ」
園子ちゃんに聞かれてその方角を指差せば、真純ちゃんが私の住んでいるマンションを言い当てて凄いと思った。
蘭ちゃんもそこ知ってる!と手を合わせ、園子ちゃんがマンションかぁ、とにやりと笑った。
何か企んでるな園子ちゃん。
ぽんと手を叩いてニッコリと私を見る園子ちゃんは思った通り「柚の家行ってみたい!」と言った。
今日も両親は仕事で居ないし余り騒ぎすぎなければ大丈夫かな…部屋片付けてたっけ…。
「まぁ…大丈夫だけど…」
「ホント?!じゃあ早速行きましょ!」
「もしかしたらお兄さんが隣の部屋居るかもしれないからあんまり騒ぎ過ぎない様にね?」
「分かったわ!右左どっちに居るのかしら!?」
「うん園子ちゃんそれ突撃する気満々でしょやめようか。蘭ちゃんに頼んで京極さんに連絡して貰う?」
「や、やぁね、冗談よ。それに一番好きなのは真さんだし!!」
あら、と口を隠せば笑顔のまま顔を真っ赤に染める園子ちゃん。蘭ちゃんが「ご馳走様〜!」なんて肘でつついてニヤニヤしている。
やっぱり恋する女の子は可愛いな、なんて思いながら二人を見た後、真純ちゃんは好きな人とか居ないのかな、とふと思う。
気になってしまうとやはり聞いてしまいたくて、恐る恐る尋ねてみた。
「真純ちゃんは好きな人とか…居る?」
「ボク?そうだなぁ…昔一度出会って忘れられない男の子なら居るよ!中々笑ってくれない兄を笑わせた魔法使いの男の子がね」
ぱちんと片目を瞑る真純ちゃんは一人の女の子の顔をしていて、ああ好きなんだなって思った。
やっぱり恋をするって凄いなぁ、と感嘆した。
「お兄さんが居るんだね」
「ああ!截拳道の使い手で、ボクの自慢の兄なのさ!」
懐かしむ様な声を出す真純ちゃんに、深くは聞かない方が良いのかもしれない、と私は「そっか」と返すだけにした。
すると突然蘭ちゃんから爆弾が落とされる。
「柚ちゃんの初恋ってどんな人だったの?」
「えっ?」
「柚君の恋愛事情は余り聞かないもんな!ボクも聞いてみたい!」
抵抗するも、私が家に着くと同時に言うまで居座るわよと脅された(?)為、大人しく答える事となった。
「昔住んでた家の隣の、二つ上のお兄さん…」
「歳上なのね…!で、どうだったの!?」
「…彼女が居たから伝えてない…」
大変だったのねと労われた。
ほんまそれな。
763人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ