十一話 ページ11
「柚は頭撫でられる時はいつもそうだよな」
「ふふ、本当に昔から頑なに敬語を外さない所もこういう所も変わらないね」
「そうそう!七年も毎週会ってるのにずっと敬語なの!松田なんてほぼ毎日会ってるのに!」
お兄さんと零さんと研二さんが揃って笑う。
いやもう零さんが笑うの軽く恐怖だから“安室透”で話されるとこう…ぞわぞわする。
方言で話すと突然幸せそうに倒れ伏すのは普通に怖い。
「そう言えば…七年前のこの人たちってどんな感じ?やっぱり今より若かった?」
蘭ちゃんが少し楽しそうに聞いてくるものだから、素直に答えてしまった。“まぁ七年前はそりゃ若かった”と。
衝撃を受けた様に固まる三人にマズい事を言ったかも知れないと思いつつ素知らぬ振りでお茶を飲んだ。
梓さんが「安室さーん!これ持って行って下さい!」と厨房から呼び掛けた為、零さんは直ぐ戻ったけれど残り二人はほぼ放心状態。
「俺たち…知らずの内におじさんになってたのかな…」
「心のどこかでまだ若いと思ってたんだな俺…」
「え、いや、あの、ガチでヘコまんといて下さい。初めて会った時よりなんかこう…大人って感じの雰囲気になったなって、思いよるだけなんで…」
少しずつ声が小さくなるが、一応きちんと言えた。
誤解だけは解けただろうかとチラリと見ればお兄さんが研二さんの肩に手を置いてガクガクと揺さぶっていた。
園子ちゃんや蘭ちゃんも口許に手を当て少し呆けている。真純ちゃんは八重歯を見せて笑って言った。
「柚君は存外無自覚な人たらしみたいだな!」
「ごめん真純ちゃんもうちょっと簡単な日本語解説ほしい」
「ん?要するに皆ギャップ萌えしてるんだよ」
「成程分からん」
僅かに首を傾けると園子ちゃんに抱き着かれた。
その衝撃でお茶が零れそうになったから慌てて持ち直す。
「もーっ!可愛過ぎるわよアンタ!ツンデレね!ツンデレなのね?!」
「な訳無いやろが!」
「っあ゙ー、方言で怒る柚超レア」
「安室さんファンが泣きますやめて下さいスマホ割りますよ!?」
いつの間にやら厨房に戻った零さんが眉間を抑えながらスマホ片手に録音していた。
女子高生がこの三人しか居なくて良かった!!これは死亡フラグでも何でもなく本当に良かった!!
「園子、世良さん、柚ちゃん、もうそろそろ行かない?」
「そ、そうね蘭!梓さんお会計お願いします!」
…お兄さんたちが奢ってくれた。
イケメンって怖いですよね分かります。
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トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
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