二話 ページ2
取り敢えず、十分程度の問答の末、なんとかこの行動の元凶を聞き出す事に成功した。
「研二さんが間違えてこのグループで私の連絡先を知りたいって言い出したら珍しくあの二人が返したから代表して陣平お兄さんが、という訳ですか。成程。通報して良いですか?」
「俺たち全員ちゃんとした警察官だからやめろ」
「いや零さんと景光さんは職業教えてくれてませんけど」
「それはお前の身を案じての事だから理解してくれ。取り敢えずその110番を打ち込んだスマホの画面を戻さねぇか?」
「そもそも年頃の娘が一人で居る家に自称もうすぐアラサーのお兄さんが来るってどうなんですかね」
やっぱり通報しようかな、と画面を見つめていると、パッとスマホが取られて110番の画面からホームに戻された。
何でや。
「全く、七年で築き上げた俺たちの信頼関係はどこに行ったんだ」
「待ってくださいお隣さんってなんなんですか」
やれやれと首を振るお兄さんをじとりと見やり、溜息を吐く。
取り敢えず連絡先は諦めて有難く頂く事にした。
お兄さんと研二さんが警察官なのは事実だし、昔助けて貰ってるし。
この連絡先交換はあの時の借りを少し返したと思う事にしよう。
「ん?…なぁ」
「何ですか?」
「今日降谷たちが来てぇつってんだけど柚も来れるか?」
「私は明日蘭ちゃん達と遊ぶので酔っ払いの相手はしてられません。寝ます」
クラスは違うけど、コンビニ強盗に巻き込まれた時に知り合って、事情聴取の時に同じ学校なのを知りよく話すようになった蘭ちゃんと、そこからまた仲良くなった園子ちゃんと真純ちゃん。
あの三人タイプの違う美少女だから一緒に居るとひぇってなる。引き立て役に徹するよわたし。
「降谷がお前への手土産に食いたいって言ってたチョコ買って来ようかって言ってんだけど、断るか?」
「……十時までに戻れるなら酔っ払いに付き合うのも吝かではないです」
「よし」
あの人の財力なんなん???私が食べたいチョコって高級チョコレートなんだけど?手土産レベルじゃなくない?
「あ、そういやお前ポアロ行ったんだよな?どうだった?」
「安室透さんが零さんに似すぎて気持ち悪かったです」
「あれ本人だぞ」
「……?」
「その“この人頭大丈夫かな”みてぇな目はやめろ。お前にやられると心が痛い」
そうこう話していると、ふとお兄さんが言った。
「そういやお前俺だけずっと“お兄さん”呼びだよな。何でだ?」
…そういや何でだろう。
763人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!!方言聞いて癒されてる降谷さんと諸伏さんとても面白かったですww警察学校組の過保護な感じめっっっちゃ好きです!!!!!!!素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました! (2022年2月18日 20時) (レス) @page38 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
さしみ(プロフ) - あんこさんのお話私好きです!またいろいろ読みに来させて頂きます♪ (2021年1月8日 11時) (レス) id: 52bb9638d4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、警察学校組好きなのでたくさん登場していて、うれしいです。(*≧∀≦*)夢主ちゃんの方言もかわいいです!(*´ω`*)続き楽しみに待ってます(*≧∀≦*) (2018年9月30日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 桜さん» 初恋の人話題にはまたいつか出るので楽しみにしてて下さいー!笑 (2018年8月25日 11時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 誰なんだ??初恋の人って? 続き頑張って下さい! (2018年8月24日 19時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ