十四話 ページ14
教師陣の刺すような視線を受けながら、現在魔法界で屈指の権力を持つマルフォイ家の嫡子である少年の為に開けられるだろう監督生の隣の席に一番近く、背中合わせになる席に着いて、これから世話になる寮の監督生に挨拶をした後、目当ての人物が来るのを待つ。暫く待っていれば目当ての人物…ドラコが背後に座る。当然ではあるが、無事スリザリンに入ったようだ。
わざとらしく「ふんっ」と言いながら行儀悪く肘を当ててくるものだから分かりやすくて可愛いなぁと思いつつ一つ笑みを零す。ドラコの行動にウィーズリーの双子が「うっげぇ」なんて反応しているが、彼らはマルフォイの性質を知らないからそんな反応ができるのだ。今のは僕の望みが叶ったことは祝福したいが、グリフィンドールが気に食わないが為の行動である。不器用な所は本当に父親に似ている。ルシウス先輩もその不器用さ故僕の父とよくぶつかっていたと聞く。僕はマルフォイの性質を理解している分上手く付き合っていきたいものだけれど、そもそもドラコには初めて会話した時から好かれているようだし大丈夫だろう。
それから、ああ、ハリー・ポッター！彼は予想通りグリフィンドールに来た。
割れんばかりの歓声だが、彼はふらふらとしているから気付いていないだろう。そのまま監督生の隣に座り、監督生も立ち上がって握手していた。帽子はわざとスリザリンを勧めただろうが、ウィーズリーの息子が傍に居てスリザリンに行きたがるとは思えない。特に彼らはアーサー・ウィーズリーの息子たちのようだから。ドラコへの反応を見れば分かる。スリザリンを悪の巣窟と思っていることだろう。
「まずは下地作りかな」
ポッターを取った！と大喜びのグリフィンドールの席でそっと口の中でのみ呟く。
さて、概ね予想通りに組み分けが進んだ。代々スリザリンの純血名家の子息子女はスリザリンだし、ウィーズリー家の息子と、もう一人の予言の少年であったロングボトムの息子もグリフィンドールに来た。ああでも欲を言えばザビニはこちらに欲しかったかな。ドラコの前の席に座るのを見届けた後、彼がしっかりと僕を見て目礼した為、まぁ敵対しないならば良いかと思い直したが。
ザビニを最後に組み分けが終わり改めて教員席に目を向ける。ダンブルドアが徐に席を立ち、好々爺の笑みを浮かべ有難い言葉を投げかけた後、あっという間に歓迎会の食事が目の前に現れた。
…困ったな。なみなみと水の入ったゴブレットを前に、僕は眉を寄せた。
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巫咫刄(プロフ) - うわー続きが気になるやつやん。これからが面白くなるやつやん｡お早い更新お待ちしております！ (2023年1月15日 15時) (
レス) @page13 id: f01b4a7cd8 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の薔薇(プロフ) - 最っ高！！続きを楽しみに待ってます！！！ (2022年2月3日 13時) (レス) @page11 id: 462d698004 (このIDを非表示/違反報告)
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