第二十五話 ページ25
…とまぁそんな事もありながら数日後。慣れなのかなんなのか、私は幽霊の彼等をそれぞれ松田(時々じんぺーさん)、ハギ、航パパ、ヒロなどなど好きに呼ぶようになり、死亡フラグとは縁遠い平和な日々を過ごしていた。
そしてそんな私は本日夢女モードである。
「何かときめく事して」
「はーい!じゃあ俺!俺やる!」
壁に背つけて!とウキウキするハギにはーい!と言いながら壁に身を預ける。すると、色気たっぷりな表情で顔を近付けて来た。…手、壁に埋まってんだよなぁ…
「柚ちゃん…ね、愛して…あ゙あ゙あ゙あ゙?!」
「め、目潰しーーーーー!!!台無しーーーーーーー!!!!松田てめぇーーーーーー!!!!!(激怒)(憤怒)(激昂)」
「お、意外と霊体同士でもすり抜けられるもんだな。気合い入れなきゃいけねぇのは難点だが」
「ねぇそれ今やんなきゃダメだった??」
「いや別に」
あっけらかんと言い放つ彼にクソデカ溜息が出る。さてはマイペースだなオメー。
「ハァーーーーーー許せねぇーーーーーーー手が壁に埋まってたのも許せないけどこれが1番許せねぇーーーーーーーーーー!!!!」
「ンな怒るなって」
「人の楽しみを邪魔しておいてどの口が?」
「んじゃその怒りを治める為にもちっと外出でもしようぜ、そこのコンビニまで。なあ良いだろ?でないとお前の喜びそうなモン見逃しちまうぜ?」
そうニヤニヤと笑いながら棚にある薄くて厚い本を動かす松田。
…ほぉ?
「…夜食も欲しいし仕方ないなぁ」
隣で邪魔しやがってとプリプリ怒るハギをすり抜けて母にデブ活してくると呼び掛けて家を出る。
松田に導かれるままコンビニに行こうと歩いていると、欄干に寄りかかって端末を弄る男性の隣で電話するかのようにスマホを耳に当てた金髪の男性を見た。
えっ何あれ。何あれ??あむあむだよねあの人??他にも空いてるのにわざわざあのスーツの人の隣に行ったよね今???え、好きなの???
「アレ降谷の右腕」
「は?」
「公安警察として働く時の連絡係みてぇな?んで一つ歳上。少々油断しがちな所はあるが、根は真面目で優秀な男だ」
「ミ゚」
「ほらお前ああいうの好きだと思った」
「私今日夢女子スイッチオンしてたのに!!バカ!!アホ!!あんなん好きに決まってるわ好きすぎてぐすんぴえんぱおんって感じですが何か?!?!」
「なんて?」
「肉まん5つ入りまァす!!!」
「情緒大丈夫かお前」
間違いなくお前のせいだぞ松田ァ…!
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ますしん - なかなか無い素敵な小説ですね!続きが気になります!これからも応援してます!! (2019年11月7日 0時) (レス) id: 46f80c1807 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年8月6日 0時) (レス) id: f826ed1a12 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー牛乳 - すごく面白いです!繰り返し読んでますw更新楽しみにしてます!応援してます! (2019年5月23日 23時) (レス) id: a8a10a0263 (このIDを非表示/違反報告)
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