扱い酷くないですか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ41 ページ41

数日後。

お酒をいつものバーでいつもの様に飲んだ帰りに、あくちゃんが送ろうとして呉れていたが“大丈夫だよ〜、一人で帰れるから銀ちゃんと帰りな〜”と帰したのだが。

見事な伏線だったらしく、回収してしまった。

フラフラした足取りで歩いていた所で口に当てられる布。私は其処からの記憶が無い。

厭その前からも無かったけど。

目を覚まして、私が最初に思ったのは“昨日何してたっけ”

其から自分が縛られている事に気付いた。

痛む頭を抑えて私は考える。

取り敢えず自分の躰と、鞄、其から部屋、全てを見て情報を取り入れる。

躰は縛られているけど猿轡は無い。喋れる。鞄は遠いから取るのは少し難しいかも知れない。部屋は何処かの宿泊施設だろうが、布団も何も無い簡素な部屋だった。

「起きたか、嬢さん」

「………嬢さんに見えます？」

「お、おう」

「ありがとうございます貴方は神か誘拐犯だ」

ぽかんとされました。

取り敢えず、彼が誘拐犯である事に間違いは無い。

「探偵社、ポートマフィア、どちらの怨恨ですか？」

「怨恨なんて無い」

「はぁ？なら目的は？」

「金」

不意に端末を見せられた。

読み上げてみる。

「女は預かった。返して欲しくば………めっっっちゃ典型的な脅迫文ですね！」

「うううう五月蝿え！！！初めてなんだよ！」

「えー……」

“何で初めてで探偵社とかマフィアとかに喧嘩売るんですか…”なんて云えば初めて会った癖に“お前ならイケる気がした”とか云うんですよね。

何で。

素直に理由を問えば

「お前まじか」

と云われてしまった。

哀れむ様な声で“難儀だな…”なんて呟くから其は私の台詞だと云いたくなった。

「取り敢えず逃げないんで解いて貰えます？あ、解ける」

緩く縛られていた為簡単に解けた。

滅茶苦茶この人優しいじゃん。

「はぁ……」

「溜息吐くと幸せ逃げますよ」

「幸せだったら誘拐なんてしねぇよ」

「確かに」

じゃあムー○ンが死んだ。と云えば男が少し傷付いていた。

この人ムー○ン好きなのか。

「取り敢えず飯食うか」

「私の分あります？」

「あるから食え」

「有難う御座いまーす」

他愛ない話をしながらお握り食べました。美味しかったです。

因みに此処は東京だと判りました。

初めてが誘拐っていうのは何かあれなんですけど観光したい。

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