扱い酷くないですか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ43 ページ43

芥川視点

柚さんが拐われた。

其の電子手紙が届いたのは僕が一つの仕事を済ませた直後だった。

厭な予感がした。

その後直ぐ、写真が添付された電子手紙と、身代金の要求が届いて、確信する。

「………何故、貴女が…」

僕が昨日送っていれば。
僕が酒を抑えさせていれば。
僕が帰らなければ。

後悔の念が渦巻き壊れそうな程心臓が痛む。

喉がカラカラに渇いた。

「おい芥川！柚のGPSが付いてるか確認しろ！」

「承知」

兎に角居場所を探らねば。

そう思い探知すれば、ヨコハマから遠く離れた地で端末の反応が出た。

東京だ。

「出ました」

機器を見せるとあからさまに顔を顰めた中也さん。

そして部下に命を出していた。

僕等は、捜索に当たれるらしい。

首領もついて行くと仰っていた。

「僕が柚を…送っていれば…」

此を云うのも朝から何度目か。

広津に窘められた。

そして、探偵社に着いた。

矢張り奴等も捜索にあたっていた様で、情報を交換する。

人虎が僕に問うた。

その腹立たしい顔に攻撃でもしたかったが、今はそんな余裕は無い。

何処に居るか判るかと問われ、答えた。

その時、けたたましい音を立てポートマフィア、武装探偵社、此処に居るほぼ全員の端末が鳴った。

誘拐犯ならの様だ。

添付された写真には、酷く痛めつけられた彼女の姿が。

僕は、怒りで眩む頭を押さえ、落ち着けと自分に言い聞かせた。

今憤ってはならぬ。取り乱してはならぬ。

殺すなら彼女の居ない所でだ。

「……首領」

「車を出させよう」

“柚を必ず救出するんだ。良いね。”

無論お助けします。

江戸川によって範囲が特定された。

斯くして、僕等は柚の捜索及び救出へと乗り出したのだった。









然しよもや、あの様な結末になろうとは、この時、あの江戸川ですらも気付いて居なかったらしい。

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