扱い酷くないですか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ13 ページ13

次の日。

そう云えば今日は休みだったと起きて着替える前になって思い出す。

そうとなれば話は早い。持っていた仕事着をしまい込み、私は普段着を着て外に出る。

髪は久方振りに下ろしてゆったり買い物をしよう。

此でもお洒落には気を配ってるんだよ。

会社でも普通に簡素な化粧位はして行くし。

「あ、急だけど今日あの四人呼べるかな」

思い立ったが吉日。

早速広津さん、銀ちゃん、あくちゃん、基次郎の順に連絡を入れ、取り敢えず自分の買い物をする事にした。

私は社員寮では無く普通のマンションの二階より上で暮らしており、セキュリティは万全。

社員寮も考えたが、流石に壁も薄いし止めておいた。

「このお茶買っておこ」
「あ、この筆良いなぁ」

一人で買い物していたら自然と独り言が増える。

余り大きい声では無いものの、矢張り聞かれると恥ずかしいかもしれない。

「……」

視線を感じて振り向く。

其処に居たのは、私服の銀ちゃん。

「…」

そっと買い物籠を持ち上げるその動作に私は察する。

私は、笑顔で銀ちゃんの隣に立った。

其から、“今日行く”という連絡も銀ちゃん以外の三人からも貰ったから、その準備もする事にした。

「何か食べたいものある？」

首を振り乍銀ちゃんが指を指したのは無花果。

あくちゃんの好物だ。

私は特に無いけれど、兄さんの好物は出して欲しい、という事だろうか。

余りの可愛らしさに抱き締めたくなったが、此処は公共の場。ぐっと堪えて家で存分にじゃれようと思う。

「あれ？」

その時、聞き覚えのある声が。

中島君だ。

「そんな美人さんと隣居て恥ずかしく無いですかー？柚さん」

「其もう先刻から一万回は考えてるからやめて中島君」

銀ちゃんとは反対の隣側で歩く中島君。

私の隣に美男美女来てしんどい。

銀ちゃんが“嗚呼、この人もか”っていう目で中島君を見ていた。

「ほんとそんなに色々買って軽々と持つなんてゴリラみたいですよー？」

「乱歩さんのお菓子を買いに行ってたら慣れるよ」

「柚さん、行こう」

不意に銀ちゃんに腕を引かれる。

控えめに云って可愛い。

「ん、判った」

中島君には仕事に戻る様に云い、私達は買い物を続けその後帰った。








(ちょっと位頼って呉れても良いじゃないですか)

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