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参拾弐ノ咄 ページ32

「あ、そうだsupport boy!君が来て呉れたら凡て解決するんだけどどう?組合に来ない?」

思い出した様にそう云う彼…えっと、マーク・トウェインさん。

それに僕は首を横に振った。

「僕は探偵社が一番ですから」

「Why?」

「…僕が探偵社が好きだから。其以外に理由が要りますか?」

「まぁ…この短期間で成長しましたわねぇ…」

感心した様に呟くナオミを軽く咎める様に見る。

ナオミは悪戯好きの子供の様にニヤリと笑った。

「だって貴方、探偵社に入るまでは何で僕が…と云い乍社に来ていましたでしょう?其なのに今となっては如何です。お仕事が貰える度に国木田さんの役に立てると喜んでおいでですわ?」

「そっ、其は太宰さんが国木田さんに迷惑かけてばかりだから少しでもお役に立てたらと思って!」

「まぁまぁ、楽しくなって来たのでしたら何よりですわ」

うふふと笑うナオミ。

マークさんはそんな僕達を見て楽しそうに笑っている。

でも、和やかな時間は終わりを告げた。

予鈴が鳴ったのだ。

「おっと、時間が無くなって来たようだね。support boy、組合には来て呉れないかい?」

「話聞いてました?僕は行きません」

「君が自ら来て呉れないとなると、ボスは武力行使をするかもしれないよ?」

戸惑う。

組合には強力な異能者が居る様だから。

…彼も含めて。

「…大丈夫ですわ。怜さん」

僕の不安を感じ取ったのか、ナオミが僕の手をとる。

暖かい。

女性らしい柔らかい手を、僕は思わず握り返した。

「探偵社は弱くありません。貴方も重々承知している筈ですわ」

「…そうですね」

「如何するsupport boy?来て呉れたら有難いんだけどなぁ」

「僕は…」

一度薄く微笑んで、口を開いた。

「僕は行きません!」

「へぇ…戦争になるよ?」

“なるべく君とは戦いたくないんだけどなぁ…”と云い乍わしわし頭を掻くトウェインさん。

「其でも、僕は探偵社に居たいです」

「そう。じゃあtime overだ。次に会う時は敵だ。またね、support boy!」

窓から去って行ってしまった。

僕は、握っていた手に気付き、慌てて離した。

「温かったのに…」

「子供体温ですからね。さぁ、時間もありませんし戻りましょう」

「…ええ、そうですわね」





組合の一人との接触で、本当に僕は狙われているのだと、やっと自分の能力の危うさを理解した。

気を付けないと。

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作品ジャンル:アニメ
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年10月8日 18時

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