【名探偵コナン】十三回目の友達。 (ページ3)

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「────それよりハギ、お前何しに来たの？」

気になっていた事を問うと「あ、そういえば...」と今更思い出したかのように呟く。
おいおい大丈夫か。そんなんじゃモテないぞ色男。

ちなみに陣平は私の自室に絆創膏を取りに来たのだ。まぁ絆創膏どころじゃ無いような気がするのだが……

「いつも持ってる絆創膏、切れちゃって...。
女の子に渡す用に持ってたんだけど、自室にはもう無くってさ。欲しいん」

「却下。」

即答である。
あ"？巫山戯んなよ、女子用の絆創膏を女子から借りんのか。せめて男から借りろ、ドンファンハギ。

ショボンとしたハギを横目に立ち上がる。
胡座をかいてぶっす～とした陣平を見下ろした。いつも見下ろされている為、少し新鮮な気分だ。

「で、その降谷クンとやらに会いに行こ。どんな男か気になるし」

「お！Aちゃんが人に興味を持つなんて珍しい！」

「お前人の事何だと思ってんの？？」

ハギの無神経な言葉に少しカチンときたが、私は大人だ。手は出さんぞ。
ハァと溜め息を吐いて扉を開ける。

それに続いて二人も出てくる。陣平に至っては渋々といった様子だが。

「んで？その降谷クン、何処に居んの？」

*＊*＊*＊*＊*＊*＊*＊*＊*

方向音痴な私は、大人しく陣平について行った。ハギは違うがその降谷クンとやらが陣平を張り合ったと聞いて少し怯えているらしい。プライド無いのかお前。

廊下を歩きながらふとハギがポツリと呟く。

「隣の教場の愛ちゃんが言ってたよ。その降谷ってヤツの事。
イケメンだけど真面目過ぎるところとその髪色のせいで生徒とのイザコザが絶えないって。」

「……自分も女子だけど、女子の情報網すげぇな。てかお前がヤバい。」

「えへへ、ありがとう」

「褒めてねェよ」

黙ったままの陣平を無視して馬鹿と雑談。
流石だよハギ、君は矢張り役に立つがその元が気に食わんな。嫉妬じゃないけど。

そこまで来て陣平が立ち止まる。
危うくその背中にぶつかりそうになり、慌ててブレーキをかける。

その視線の先を追えば────

「あ。」

「あ。」

「あ。」

上から私、ハギ、そして猫目の男である。

ちなみにお互いを見て声を発したのではなく、お互いの先頭に居るヤツを見て声を発したのだ。

「……よォ、パツキン野郎」

「やぁ」

パツキン野郎...降谷零、陣平と張り合ったゴリラ(男)であった。