FILE.13 通り魔 ページ20
やはりと言うべきか、僕の勘は正しい。
目の前には赤井秀一。
今は神崎椎那としているため、僕の正体はバレないし、赤井のことを組織に報告もしない。
それより蘭ちゃんが先程から固まっている。
タクシーの運転手がそいつは通り魔だと言っている。あ、逃げた。
なるほど、それで蘭ちゃんは固まっていたのか。銃まで持ってるし。
しかし残念ながら、目の前の男はFBI。
「日本人か…?」
不意に赤井が聞いてくる。
「ええ、そうですけど…」
ここは僕が応える。
「怪しい男を見なかったか?長髪を銀色に染めたヒゲ面の日本人だ…」
そう言い、こちらを見てくる赤井と蘭ちゃん。
僕じゃないからな。怪しいはともかく、銀色の長髪じゃない。
「いえ、見てませんよ。ですよね、蘭ちゃん?」
僕の言葉に遅れて反応し「え、あ、はい!」と言う蘭ちゃん。
…そんなに僕が通り魔に見えるのか。
すると後ろからFBIらしき人。二人で話をした後、赤井がこちらを向いて言った。
「とにかくここは危険だ…。今すぐに立ち去れ」
「あ、でも連れが…連れをここで待ってるんです!」
赤井の言葉に蘭ちゃんが言う。
「じゃあ君たちとその連れに、もう一度だけ言う。消えろ!!この場から今すぐに!!」
そう言い、仲間と共に去る赤井。
とりあえず新一君を呼びに行こう、そう蘭ちゃんに提案しようと思ったら、既にいない。
行動力があるなぁと思いつつ、僕も廃ビルに入る。
*******
「逃げろ蘭!!」
新一君の声が聞こえる。
どうやら蘭ちゃんが危ないらしい。
頼まれた手前、無事にホテルへ連れていかなければならない。
急いで声のする方に行こうとすると、サイレンサーが落ちてくる。
あ、ベルモットに渡したやつだ。
と言うことはベルモットがいるのかな。
そんなことを考えていると、蘭ちゃんが新一君に抱えられて戻ってきた。
どうやら風邪をひいて倒れたみたいだ。
ベルモットよりもこっちを優先して、タクシーを拾い、ホテルへ連れて行く。
これぐらいなら大丈夫だろう。
僕は有希子さんが来るまで二人と一緒にいて、その後あの廃ビルに行った。
ベルモットはもういなく、通り魔の死体だけがあった。
辺りを見て回る。指紋や血痕などは一切ない。
成る程。通り魔に変装していたのか。
その後ベルモットにはなにも告げず、日本へ帰った。
決してプライベートを邪魔されたことに、怒ってなどいない。
ラッキーキャラ
黒田兵衛
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香椎 - ひまりさん» ありがとうございます。更新速度は遅くなるかもしれませんが、なるべく早く更新するようにします。 (2018年5月20日 12時) (レス) id: 45135d60bf (このIDを非表示/違反報告)
ひまり - 面白いです。更新頑張って下さい! (2018年5月20日 11時) (レス) id: 04e3f5630b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香椎 | 作成日時:2018年5月18日 5時