FILE.22 行列のできるケーキ屋 ページ31
コラボ当日。
客がどのくらい来るかわからないので、ケーキをとりあえず三千個用意する。
ワンホール五千円という、高い気もするが、フサエさん曰く大丈夫とのこと。
まあフサエブランドとのコラボだし、あんまり安すぎるのもね。
とりあえず店頭に五百個並べる。中に来られると迷惑だから。
「椎那さん、これはコッチでいいですか?」
そう聞いてくる唯青年。今回の助っ人だ。
流石の僕も一人でするのは面倒なので、唯青年に協力してもらった。
「ええ、そこで大丈夫ですよ」
開店まであと五時間。それなのにちらほらと行列ができ始めている。
流石フサエブランド。人気は高い。
僕と唯青年はせっせと開店に向け、準備を急いだ。
*******
開店数十分前、ものすごい行列ができた。
一応チラシには二千個限定と書いていたが、どう見ても足りない。
三千個作っておいて良かった。
よく見るとテレビ局の人が、フサエさんに何か聞いている。
フサエさん、いつの間に来たの?
そしていよいよ開店する時、僕は唯青年と目を合わせる。
−−ここからが戦いだ。
−−わかっています。
そうして店員VS客の激闘が始まった。
*******
「つっかれた〜」
そう言って伸びをする唯青年。
あのあとケーキが足りなくなり、サービスで焼いたのだが、およそ一万個は売れた。
まさかの売り上げに驚くも、悲しきかな休む暇がない。
…唯青年がいて良かった。今回は真面目に感謝しよう。
唯青年には、半ば無理やり売り上げの二割をあげ、帰ってもらった。
生活費とかあるからね?
店を閉めているとフサエさんが来た。
「すごかったですね」
「ええ、私も驚きましたよ。まさかあんなに来るとは…」
「ふふ、それだけ貴方のケーキは美味しいということですよ?」
「それだけ貴女が有名なんじゃないんですか?」
二人でそんなことを言いあいながらも、結構楽しんでいた。
「是非またコラボしてください」
別れ際にそう言うフサエさん。
僕の返事は勿論、
「考えさせていただきます」
今日はぐっすり眠れそうだ。…いつものことだけど。
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ラッキーキャラ
黒田兵衛
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香椎 - ひまりさん» ありがとうございます。更新速度は遅くなるかもしれませんが、なるべく早く更新するようにします。 (2018年5月20日 12時) (レス) id: 45135d60bf (このIDを非表示/違反報告)
ひまり - 面白いです。更新頑張って下さい! (2018年5月20日 11時) (レス) id: 04e3f5630b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:香椎 | 作成日時:2018年5月18日 5時