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壁山が逃げ出したり、ギリギリまで十一人目が来なかったり多少のトラブルはあったものの、部員総出で壁山を連れ戻し、エースナンバーが欲しいという随分と自意識の高い目金欠流を席を外していた秋が連れてきたので十一人目のメンバーに加え、帝国学園VS雷門中の試合が始まった。
試合前にあれだけ圧倒的な練習風景を見せつけた帝国学園のプレーに力強さを感じなかったのは違和感しかなかったが、細かくパスを繋ぎ一度ゴール前まで行けたのは良かった。しかし、染岡のシュートが帝国学園のGK・源田に止められてから流れは変わる。始めから彼らは弱小校相手に手加減をしていたのだ。
｢鬼道、俺の仕事はここまでだ｣
源田が投げたボールをキャプテンの鬼道が足で受ける。
｢ああ、始めようか。帝国のサッカーを｣
ここからが地獄の始まりだった。
FWの寺門が蹴ったノーマルシュートすらも、円堂は止められない。それもそうだ、彼らと円堂たちでは環境も練習時間もそれによる技術も何もかもが違うのだから。
雷門の選手たちは何も出来ないまま、10対0で前半が終わってしまった。
疲れ果てた様子の皆に、秋や新聞部から取材に来たという春奈と共にドリンクとタオルを用意する。
｢どうなってるんだ、あいつら……誰ひとり息が乱れてないぜ｣
｢そりゃそうさ、奴ら走ってないからね｣
風丸とマックスが言うように、ハーフタイムも試合中も雷門と帝国の様子は正反対だ。まともに喋ることも出来ないほど息が切れている雷門と、息ひとつ乱さない帝国。ボールを奪えず走り回った雷門と、まるで遊んでいるように走りもせずボールを操っていた帝国。
｢くそっ、このまま終わってたまるか！ 後半は奴らを走らせて消耗させるんだ！｣
｢消耗って……無理でヤンスよ。もうヘロヘロでヤンスから｣
円堂は鼓舞するが、他のメンバーは諦めモードになってしまっている。見守ろうと思っていたAだが、我慢が効かなくなってしまった。
｢やっぱりわたしが……｣
｢Aはだめだ！｣
｢そうさ、試合中あんなに走らされるんじゃ身体がもたないだろ｣
言い終える前に円堂と風丸に反対され、俯く。サポートだなんだと謳いながら、肝心な時に役に立てないことが歯痒くて仕方なかった。こんなにもやるせない気持ちになったのはいつ以来だろう。
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公式から新情報解禁されましたね𓂃.◌𓈒𖡼𓂂
まったく新しいイナイレになりそうで楽しみです。
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作者名：おひめ | 作成日時：2022年7月14日 17時
