【utit】甘く甘く溶けるまで (ページ7)

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センラ × お迎えページ7

貴女 side

「う……疲れた……」

絶賛女の子の日真っ最中の私だが、だからと言ってゆっくりできる訳などなく朝から大学へ行き大して面白くもない教授の話を聞き、バイトへ向かう。平日ということもあり忙しくはなかった。だが、私の性格上他人に心配や迷惑をかけることは許さなかったのでしんどさを隠す為の笑顔を貼り付けてバイト仲間や店長お客さんに愛想を振りまく。ラストオーダーが近づき、店内からお客さんも居なくなり、クローズ作業は私一人に任された。明日の準備まで終わらせたところでカウンター席で力尽きた。

(ここから家まで帰るとか無理。)

とはいえ、帰らなければ。明日も学校に行かなければならない。そう思い思い体を奮い起こし店を後にした。
家に帰ったら大好きな彼＿センラさんに連絡しよう。そんなことを考えていると店の前に見覚えのある車が一台、そしてその車の窓が下がる。

『お疲れさん〜』

今日一日ずっとずっと聴きたかった、はんなりとした京都弁の柔らかくも少しクセのあるその声。

「センラさん！」

居ても立っても居られず車に駆け寄ると反対側の席から降りてきてふわりと私を抱きしめてくれる。私をすっぽりと包み込むその大きな体とキツすぎないふわりと香る彼の香水に思わず涙が滲む。

『はいはい。センラさんですよ〜？随分とお疲れやねぇ、とりあえず車乗りましょか？』

こくり。と頷くとそっと離れて助手席の扉を開け『どうぞ』とエスコートしてくれる。いちいちかっこいいから心臓がいくつあっても足りない。
程なくして運転席に乗り込んできたセンラさんは私の頭を撫でながら

『Aもしかしてやけど体調悪い？疲れてるだけ？』

と尋ねた。「大丈夫」その言葉を言う前に

『俺に隠し事は通用せえへんからな？ちゃんと正直に教えて？』

(あぁ、なんでこの人はなんで……)