＊《忍たま》＊男装少女と忍たまたち(上級生より) (ページ19)

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17 雑渡昆奈門ページ19

A「お前・・・、俺に何するつもりだ。」

昆「うーんと、それは言えないかな。」

昆奈門はAの背中に腕を回した。

A「キャッ！」

昆「何ッ⁉」

Aの体はもう一本の腕によって、昆奈門から引き剥がされた。

昆「あーあ、取られちゃった。せっかく良いところだったのに。それにしても声、可愛いね。」

AとAの体を支える人物は地上に降り、木の上の昆奈門を見た。

地上に降りたとき、その衝撃でAは左足を捻った。

A「誰だ⁉」

？「なんか前より体重軽くなってない？」

そう優しく問いかけながらその人は顔を上げた。

A「利吉さん⁉」

利「傷はない？もう大丈夫だよ。」

昆「お前には用は無い。」

昆奈門はさっきまでの猫なで声とは違い、低く恐ろしい声で言った。

突然、Aの目の前で二人の忍者は戦い始めた。

苦無が昆奈門に向かって突き刺さろうとしている。

昆奈門はAがさっきまで持っていた苦無を拾うとそれに対抗した。

A「(俺の苦無だ・・・！)」

激しくぶつかり合い、何度も鳴り響く金属音。

木の上と地上を行き来しながら二人の忍者は張り合っていた。

((ゴンッ

利吉が昆奈門に腹を蹴られ、一瞬ひるんだ。

その隙を昆奈門は見逃さなかった。

苦無の先が今にも利吉に突き刺さろうとしている。

Aは足を引きずりながらその方向へ走った。

((ズッ

昆「・・・⁉」

利「A・・・？」

Aは利吉の前に立ち、腕に苦無を刺していた。

苦無の刺さったところからタラタラと血が流れ、白い腕を伝い、赤く染めてゆく。

昆「女の子に庇ってもらうなんてどうかと思うよ、プロの忍者さん？」

利「・・・っく」

A「これ以上何も言うな。何も…言うな…。」

昆「分かったよ。今日はもう帰るとするか。じゃ。」

昆奈門は木の上に乗ったかと思うといつの間にか姿を消していた。