5話 ページ5
sideふみろく
「めいこれって、」
『うわぁぁあ!!来ないで!!』
「えっ」
『恥ずかしいから来ないで!』
「えぇ…」
どうしろって言うんだよ。
婚姻届なんかプレゼントしちゃってさ。
それは男の役目だろ?なにカッコイイことしちゃってんの。
「めい」
『…なに』
「こっち向いて」
『いや』
「お願い。ちゃんとこっち見て」
ゆっくりと顔を上げためいに見えるようにずっと温めておいた小さな箱を開いた。
見た瞬間、めいの目はぱっちりと見開かれる。
『えっ、こ、これ』
「婚姻届は先越されたけどさすがにこれは俺からな」
『うぇぇぇ!!ふみぃ!!!』
「うおっ、危ねぇ!」
抱き着いてきためいを使える筋肉全てを使って受け止めて、なんとか踏みとどまった。
『うぉおおお!!』とか『んんんんん』と奇声を上げるめいを抱き抱えてる間、「俺臭くねぇかな」とか雰囲気ぶち壊しの事を思いついて、とことん恋愛脳じゃねぇなと思い知らされた。
『うっ、ふみぃ…すき…だいすき…』
「うん。俺も」
「……結婚するか」
少しの間を開けて、返事の代わりにめいからのキス。
軽く触れるだけしてから、耳元で『大事にしてね、旦那さん』とか言うもんだからこいつは本当に俺を煽るのが上手い。
それに対抗して俺は深く口付けた。
そっと唇を離すと、銀の糸が俺らを繋いでいた。
『ねぇ、』
「なに?」
『結婚してもデートしよね』
「当たり前だろ 可愛いな」
『お揃いのピアスして、ふみはあの服着てね』
「する。着る。」
『うん。おやすみ』
「ん…?おいっ、このまま寝んな!起きて!!俺今日オタ芸打って腕使えねぇんだよ!!起きて奥さん!!!」
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作者名:しげっち。 | 作成日時:2018年11月15日 17時