【アナタシア】キスの意味【短編集】

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『さよなら〜きゃ、ちょっと、健』

芝「もうふみはいいでしょ。せっかくの再会なのに…」


身体が後ろへ引っ張られたかと思えば腰に手を回されて頭に顎を乗せられてる


『久しぶり、健』

芝「ほんと久しぶりだよね。会いたかった」

『私も会いたかった』


腰に巻かれた腕に力が入る

健は大きく1つ息を吸った


芝「めいすごいいい匂いがする」

『え〜汗かいてるから嗅がないで〜』

芝「いーや。ほんとにいい匂いするんだってば」


うーん…シャンプーも変えたわけじゃないしなんだろう…

そんな事をもんもんと考えていると突然私を抱き寄せていた腕を外し、私の腕を掴んだ


芝「腕も綺麗だよね…」


そう言いながら顔をだんだんと私の腕に近づけていく

『ちょ、健？』

ついには私の腕と健の唇が触れた


『な、なにしてんの…！』


芝「俺、ホントは迎えに行きたかったのに…1番にめいの顔見たかったのに…」


再び私の腕に口付けながら呟いた


『けん、』


芝「ずっとめいに会いたかった。すき、好きだよめい」


突然の言葉に胸の鐘が尋常ではないほど鳴り始める

そういえばこうやって好きとか健の口から聞くのはだいぶ久しぶりだよね…


『わ、私もすk、「なーにやってんのかなお二人さん」』


芝「『…え？』」


声がした方を見ると、リビングへと続くドアの前で仁王立ちしているまりんさんの姿が

私すっかり他に人いないかと思ってたのに！！！

まりんさんがいたなんて…恥ずかしい…


芝「いーじゃん、まりんが俺に仕事頼んだせいでめいの事迎えに行けなかったんだから！」

まり「その代わりに腕にキスさせてあげたんやから許せよ」

芝「結構最初から見てるじゃん！」


ギャーギャー言いながらもまだ私の肩を抱いている健

無意識なのか、わざとなのか…


まり「めいちゃんが1番恥ずかしいよなぁ」

『うぇ！？えっと…見せつけるみたいな感じになってごめんなさい！』

まり「見せつけるってw俺寂しすぎるやろww」


高笑いをするまりんさんにつられてか、健もわははっと笑い出す始末


耳元で笑われてちょっと、いや、だいぶうるさいけど新しい彼の一面を知れた気がして自然と頬が緩んだ




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まり「めいちゃん腕にキスする意味知ってる？」

『知らないです。意味なんてあったんですか？』

まり「なんや知らんの。教えたげるわ。意味はな…」


── “あなたが恋しくてしょうがない”って意味なんやで



腕へのキス【恋慕】

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