祝福 ページ4
まりんside
目の前のドアをコンコン、とノックする
まり「失礼しまーす」
『はぁーい!どーぞ!』
見た目重たそうなドアはあっさりと開き、目の前には彼女がただ1人、椅子に座っていた
俺の姿を見て急いで立とうとしたので止めた
わざわざ立たなくてもええのに…
『まりんだと思わなかった!来てくれてありがとう』
まり「来るに決まっとるやろ、幼馴染の“結婚式”なんやから」
『ふふ、それもそうだね』
そう、今日は彼女の結婚式
純白のウエディングドレスに包まれた彼女は息が止まるほど綺麗だ。
まり「綺麗じゃん。馬子にも衣装ってやつ?」
『失礼なっ!まー、あの人と2人で選んだからまりんに何て言われてもいいけどー!』
まり「ふはwうそうそ。似合っとるよ」
不機嫌そうだった彼女の顔はその言葉で嬉しそうな顔になる
でしょ!っと花が咲いたような笑顔でこちらを見た
まり「(ほんっと、単純やなぁ…)」
昔から泣いたり笑ったり、コロコロ変わる彼女の表情に惑わされてばかりだった
でも俺はそんな彼女が ────
いや、この話は今するべきじゃないやろ
俺にこんな幸せを壊す資格も勇気もない
俺の気持ちは心の奥にしまって、めいとたわいもない話をしていた
大丈夫、作り笑顔は得意なんよ
女「もうすぐお時間です」
彼女の担当らしき人が俺たちに声を掛ける
もうちょっと居たかったけどなぁ…
まり「緊張してコケんなよ」
『わかってる!ありがとう』
そう言って微笑んだ彼女は今までで1番綺麗だった
そんな彼女を見て、自分でも知らず知らずのうちに身体が動いていた
自分の唇がめいの額に触れ、次の瞬間にはもう離れた
本当に一瞬の出来事だった
『っ…!まりん!なにすんのさ!』
まり「脳内お花畑なお前やったら“額にキス”の意味くらい分かるやろ?」
『えぇ?…あ』
まり「結婚おめでとう。幸せにな」
泣くなよ俺
このままキメ顔で出ていけば俺はいい幼馴染のままでいられる
出てきそうな涙をグッとこらえ、再びあの重たそうなドアの元へ歩く
『まりんも幸せにね!!』
ドアを閉める瞬間に聞こえたその声と言葉に驚いて歩みを止めそうになったが、なんとか1歩を踏み出した
部屋を出る直前に発した精一杯意地を張った言葉は彼女に届いただろうか
まり「絶対お前より幸せになったるわ」
額にキス【祝福】
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こういうのも書いてみたかった
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はた - さいこうでした!! (2019年12月27日 1時) (レス) id: 32e6686df9 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - ムユさん» コメありがとうございます!可愛いですよね...まりんくんの関西弁もめちゃくちゃ好きなんですけどまさとくんのも萌えますね… (2018年10月14日 10時) (レス) id: c12db644f8 (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - わかります…私女子ですけど可愛い博多弁女子には惚れそうです…博多弁女子と結婚したい( ˙-˙ )芝健の方言とか聞いてみたい…まさと君の方言可愛いですよね! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - ムユさん» ご無事で何よりです...(´;ω;`)スマホは困りますね...でもセリフに笑っちゃいましたww (2018年9月12日 22時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - しげっち。さん» 北海道は大体大丈夫ですよ!停電したとき一番心配したのは…『スマホぉぉぉぉ!!!おい!スマホ!?』くらいかな…(´・∀・`) (2018年9月12日 21時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しげっち。 | 作成日時:2018年8月12日 23時