服従 ページ22
芝健side
──── アナタシア
それは俺が所属する組織の名前。
ここではダンスもやらせてもらえるし、少し営業の仕事をすれば十分にお金が貰えるんだから文句なんてない。
ただ、ここに入るには厳正な試験をクリアしなければいけない。
一次試験は能力チェック。
頭の良さと運動神経をテストし、その合計点で合格か不合格か決まる。まぁ大体ここで志願者の3分の2が落ちる。
だが、合計点なので頭の良さか運動神経のどちらかがずば抜けて良ければ合格できる。
口には出さないが、ふみは確実に運動神経で入ってきたと思う。
そして二次試験は面接。
簡単な受け答えと直々にリーダーと話す機会が与えられる。
話を聞くだけじゃ簡単そうだが、試験官やリーダーからの質問に的確に答えられなければ一発で落とされてしまう。
そして完璧な受け答えが出来たものには最後に“誓い”を立てさせられる。
その誓いというが今目の前で行われているこれだ。
『じゃあ、誓いとして────私の
男「……は、」
『私の脛に口付けてちょうだい。それがこの組織に入る為の必要事項よ』
男「は、はい」
震え声で返事をし、男はそっとリーダーの脛へと口付けた。
俺とリーダーと男だけの静かな空間にリップ音だけが響いた。
『合格。扉の外にいる男について行って。』
男「…はい」
失礼しました、と一言残すと扉を閉めた。
と同時に訪れる沈黙。次の受験者が現れるまで俺とリーダーは二人きり。
芝「…リーダー」
『ん?なに?』
芝「俺も口付けさせてください」
『ふふっ貴方は面接が終わる度にするけど何か意味があるの?』
芝「いえ、あれを見ると私も服従を誓いたくなるんです」
『変わった子…いいわよ』
そう言うと長い脚を組んでクイッと持ち上げたリーダー。
俺は跪いて赤いハイヒールの履かれた脚を持つ。
これで何度目だろうか。この誓いをするのは。
ゆっくりと唇を近づけ、脛にキスを落とすとリーダーは満足そうに笑った。
『あなたも物好きね。皆ここのルールに耐えられずに出ていくのに貴方は誓いを自ら望むなんて。』
芝「でも…俺だけじゃないですよね?」
『…そうね。貴方含め幹部の6人はやけに誓いをしたがるけど何かあるのかしら』
芝「恐らく皆、必死なんですよ。貴方が離れていかないように」
『何よそれ。おかしな人達』
ふふっと笑うリーダーを見つめていると、不意に扉が開いた。
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はた - さいこうでした!! (2019年12月27日 1時) (レス) id: 32e6686df9 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - ムユさん» コメありがとうございます!可愛いですよね...まりんくんの関西弁もめちゃくちゃ好きなんですけどまさとくんのも萌えますね… (2018年10月14日 10時) (レス) id: c12db644f8 (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - わかります…私女子ですけど可愛い博多弁女子には惚れそうです…博多弁女子と結婚したい( ˙-˙ )芝健の方言とか聞いてみたい…まさと君の方言可愛いですよね! (2018年10月14日 8時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - ムユさん» ご無事で何よりです...(´;ω;`)スマホは困りますね...でもセリフに笑っちゃいましたww (2018年9月12日 22時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - しげっち。さん» 北海道は大体大丈夫ですよ!停電したとき一番心配したのは…『スマホぉぉぉぉ!!!おい!スマホ!?』くらいかな…(´・∀・`) (2018年9月12日 21時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しげっち。 | 作成日時:2018年8月12日 23時