27話 ページ30
ふ「あ、そういえば」
そう呟くと、ふみさんがおもむろに立ち上がってハンガーに掛けてあるジャンバーのポケットを探り始めた
ふみさんが離れていったせいで少し開けた窓から入ってくる冷たい風が頬をかすめる
さっきまでずっとあった温もりが無くなって少し寂しい
『どうかしたんですか?』
ふ「ちょっと待って」
『はい…?』
ふみさんが何をしたいのかが全く読めない
スマホなら机の上にあるし…
そう思っていると、探していた何かを見つけたのかふみさんがこちらへ近づいてきた
どことなく顔が強ばっている気がする
私の目の前に来ると、ソファーに座っている私は自然とふみさんを見上げる体制になる
私の視界にはふみさんでいっぱい
好きな人を独り占め出来るなんてこんな嬉しいことはない
たしか、最初告白された時もこんな感じだったな…
ふみさんはまだ覚えてるかな
ふ「めい」
『はい…』
なんだか、緊張してる…?
彼に取り巻く緊張感にこっちまで飲まれそう
ふみさんは自分を落ち着かせるように息を吐き、口を開いた
ふ「今更だけど、俺なんか大してイケメンでもないし、ましてや性格がいいわけでもないし…ずっと変な事しか考えてないけど」
ふ「こんな俺でも付き合ってくれますか」
ふ「…いや、付き合ってください」
少し掠れた彼の声に心臓がありえないほど脈打つ
“付き合ってください”
どれだけこの言葉を待ち望んだことか
2回目なのにこんなに嬉しいのはなんでだろう
なんでこんなにも涙が出そうになるんだろ
告白の答えなんてもう決まってる
『はい…よろしくお願いします』
そう言うとふみさんが今まで以上に笑顔になった
私が大好きな笑顔
いつも以上に私の頭をゆっくりと撫でる手に恋人同士になれたことの嬉しさを噛み締めていると視線を感じた
その視線を辿るとふみさんにじっと見つめられて、私もふみさんから目が離せなくなる
恥ずかしいけど逸らせなかった
いや、逸らしたくなかったと言う方が正しいのかも
ふみさんがあまりにも優しい目で私を見るからなんだかくすぐったい
ふみさんが腰を曲げ、さらにふみさんの顔との距離が近くなる
ふみさんの黒目に私が映り込んでる
私はただ吸い込まれるようにその瞳を見つめていた
そして優しく私の頬を撫でるのを合図にするかのように、どちらからともなく唇を重ねた
恋愛未経験者の私にはキスすらも初体験
こんなに甘くて、優しかったんだ
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しげっち。(プロフ) - みいさん» ありがとうございます(/ω\*)これからも筋肉痛が続くように(?)頑張ります! (2018年4月28日 7時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
みい - 褒めまくりです(o^―^o)ニコ (2018年4月28日 1時) (レス) id: 7b5dea59e2 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - みいさん» それは褒められてるんですかね?ww見ていただいてありがとうございます! (2018年4月25日 7時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
みい - ほっぺたの筋肉が筋肉痛ですwww (2018年4月25日 0時) (レス) id: 7b5dea59e2 (このIDを非表示/違反報告)
しげっち。(プロフ) - yuki-shigeさん» コメントありがとうございます!ありがとうございます(TvT )好きです、だなんて...照れますよ(//∇//)←黙れこれからもよろしくお願いします! (2018年4月20日 23時) (レス) id: 80025f79b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しげっち。 | 作成日時:2018年3月29日 20時