検索窓
今日:5 hit、昨日:14 hit、合計:216,714 hit

4."u"side ページ5




電車に乗っているときだった。

俺は今日、大学の帰りに仲の良い友人の家に遊びに行った。


(…今日も喫茶店寄ろうかな)


窓の外を見ると、結構の量の雨が降っていた。折りたたみも持ってきていなかったし、最近あの喫茶店に行けてないから、雨宿りにも丁度いいだろう。


(今日は何頼もうか…な………ん?)


ふ、と前を見ると、見覚えのある背中があった。
いかにも普通に居そうな女子大生だが、間違うはずがない。幼なじみで、好きな人。伊織A。思わず身体がドクドクと反応して、あの白い肌を俺のものにしたくなる。


(やっべ)


出てきた欲に蓋を閉め、俺はすぐにスマホを開き、Aに連絡した。
俺を探しているのか周りをキョロキョロと見回す彼女の元へ向かう。


A「っあ」


俺の顔を見て、彼女はぱっと笑顔になる。


(可愛い…)


にこにこ、と笑顔を浮かべているAは、化粧のせいもあるだろうけど、昔より大人っぽく見えた。でも、可愛いのは、同じ。
幼い頃から感じていたAへの欲は、そのまま出してしまうとそりゃ、引かれるだろうけど。昔から感じていたこの欲を顔に出さないことくらい、簡単にできてしまう。

Aは俺のことを上から下までじぃっ…っと、効果音がつくくらい見つめていた。


A「…いや、なんか変わったなぁって」


う「そう?」


でも実際、俺もびっくりしている。Aが、随分大人っぽくなっているから。高校卒業後そこまで経ってないとはいえ、やっぱり人って変わるもん…なんだな。
Aを見ると、好き、という気持ちが止めどなく溢れてくる。


(大切に、ばれないように、しないと。)


中学時代、俺のせいでAは嫌がらせなどを受けて、傷ついてしまった。…あんなことがないように。気をつけないと。
…それに、幼なじみに幼い頃からこんな欲に塗れた心を持っていたなんて気付かれたら、彼女というより前にこの幼なじみという関係になんか、戻れないと思う。


(Aはきっと、俺がこんななことなんか、思ったこともないだろうけど。)






…理性が持たなくて、なんてことにならないようにしないと。

5.→←3.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (259 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
901人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年10月13日 22時) (レス) @page38 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
蝶朱(プロフ) - 千衣さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年5月25日 19時) (レス) id: 454b44bd04 (このIDを非表示/違反報告)
千衣(プロフ) - 蝶朱さん更新楽しみに待ってまーす! (2020年5月25日 18時) (レス) id: 831be97d67 (このIDを非表示/違反報告)
蝶朱(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます!私も何とかウイルスのせいで休校です笑 そんな風に言ってもらえて嬉しいです!更新頑張ります! (2020年3月3日 16時) (レス) id: 454b44bd04 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - んんん尊いッ 何とかウイルスのせいで!コロナ何とかのせいで!←学校がないから…こういう小説読めるのが1番の幸せです…マジで作者さん生まれてきてくれてありがとうございます← そして更新ファイトです! (2020年3月3日 0時) (レス) id: 9cddad8678 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蝶朱 | 作成日時:2019年11月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。