【d!】シアワセの日記 (ページ12)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:1,322 hit

11.「字」ページ12

.

「「あ。」」

城に帰り一旦自室に向かおうとしている最中、先程の女の片割れが居た。確か…A、という名前だったか。何故か幹部棟の方からやってきたコイツは、なんとなく気まずそうな顔をしていた。

A「え、っと…。お疲れさまです。」

おどおどとした手付きでようやく敬礼したAは、何故か先程とは違いムカついた。

こんな奴が、優秀と言われるララの隣に居座っているのか、と。元々ララは俺の部下だ。訓練兵時代から優秀だった彼奴は、ずっと孤独だった。優秀すぎて、誰も周りに寄ってこなかったのだ。然し最近になって親友ができ、よく笑顔を見せるようになっていた。

ただ、今はこいつなんかに構っている暇はない。俺は「ん。」とだけ返して自室に入っていった。

＿＿＿

ぱたん、と音をたてて閉まった扉を背に、俺はベットにダイブした。そして、その時目に入るのは勿論んあの古ぼけた日記帳だった。

sha「…ちょっとは時間あるし、見てもええよな。」

そう呟いて、俺は起き上がり、日記を開いた。

＿＿＿

『4月1日』

今日は俗に言うエイプリルフール。お兄様が私と縁を切るという嘘をついてきた。

最初は本当だと思って本当に目に涙が溜まったが、それに気付いてくれたお兄様が慌てて嘘だと言ってくれた。本当に心にくるから止めて欲しい。

『8月20日』

今日は戦争だった。

私が侵入した敵国に女又隷が居たので開放した。

どうやら東洋人らしい。

黒髪黒目で口元に傷があった。かなり気にしているようだったのでトントン様にマスクを縫っていただくようお願いした。
出来上がったマスクを渡すとかなり喜んでいた。年上のはずなのに、かなり可愛く見える。

『8月22日』

どうやらあの東洋人が私の部隊に来てくれるらしい！

自ら志願してきてくれたと言うが、私に何かあるのだろうか？

ともかく、私の部隊を志願したというのならみっちりと鍛えてやらねば。

＿＿＿

sha「…字、めっちゃ綺麗やな。トントンとかグルッペンとかとは違うタイプの字や。」

綺麗な字はまるで俺に読めと催促してきているようなほど読みやすさを助長していた。飽き性な俺でも見れるほど丁寧な字だったため、今尚読み進められていた。

再びパラパラとめくると、風が吹き一つのページで止まった。そこに書かれていた言葉は、俺に衝撃を与えた。

.