【d!】シアワセの日記 (ページ11)

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10.「衝」. ページ11

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彼奴等にあの場を任せることにしトントンの元へと戻れば、じゃあ城下町の巡回行って来いと言われたので街をてくてくと歩いている最中である。

巡回と言えどスコップを担ぎ街をぶらぶらと散策しながら回るだけで良いのでほぼサボりと同じである。頑張ってる彼奴等にパンでも買ってってやるか…。ロボロがプロテインパン大好きだったよな、なんて思いながらあくびを一つすれば、ドンっと音がして肩辺りに衝撃が走った。

sha「んわっ！？すまん、大丈夫か！？」

俺が慌てて手を差し伸べれば、ぶつかった緑の恐竜のフードの赤茶髪をした青年は、俺の顔を見た途端ハッとし、慌てた様子で

「いや全然大丈夫です！俺も前見てなかったんで！すみません！幹部様にぶつかってしまうとは…！以後気を付けます！」

と謝ってきた。物凄く礼儀正しく丁寧な謝罪に許さないという4文字の感情は存在しなかった。あまりに礼儀正しいから、俺も釣られて敬語交じりに会話してしまう。

sha「大丈夫ですよ、あーえっと、俺は…知っとるとは思うけどトイフェル・シャオロンや。」

「はい！勿論存じ上げております！俺は…」

「あ！いた！」
「じゃっぴ！」
「も〜！探しましたよ！」

「え！？あれ！？皆！？」

俺らの会話を遮るかのように現れた黒髪、紫髪、桃髪の三人。紫髪に「じゃっぴ」と呼ばれたコイツはじゃっぴという名前なのだろうか？それとも大先生のように渾名か？

この男の名前が気になって気になって仕方がない中、目の前では紫髪のプチお説教タイムが始まっている。じゃっぴ(？)はかなりしょんぼりとしており、物哀しげな雰囲気を漂わせているためなんだか可哀想に思えてきた。

「シャオロン様、この度はうちの国のものがご無礼を…！このアホ恐竜にはきつく言っておきますので…！何卒ご容赦を…。」

sha「あーいや気にしとらんで。こっちこそスマンな、前見とらんかったわ。」

再び途轍もなく丁寧な言い方で謝られたので、流石に後ろめたくなりさっさと城に帰りたい一新で早く切り抜けようとする。すると、そろそろ時間がやばかったのか、黒髪が時計を見せて慌てた表情をしていた。俺も釣られて時計を確認すればもうすぐで会議が始まる時間。ということで解散となった。

結局じゃっぴの本名は分からなかったが、俺としては面白いやつに会えたということだけで収穫だ。あとでロボロにでも調べてもらおうかなんて思いながら、俺は城への家路を辿った。

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