【名探偵コナン】メリー・ウィドウ【降谷零】

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庁内に在籍している警察関係者のリストを探す。



...内通者が、存在するとしたら。



内側からのセキュリティというのはどこも甘い。



けれどそのデータを開こうとして、冷静になる。



もしこれが事実だとしたら



私がリストを開いたことはバレない方がいい。



私の存在を、知られてはいけない。



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「Aさん」



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どうにかして内通者を炙り出そうと考えていると



風見警部補が、遠慮がちに入ってきた。



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「侵入者は記憶を失っているらしく、自分はこれから警察病院に身柄を引き取りに向かいます」



「そう」



「本来であれば、降谷さんが向かうはずでした」



「.........それは、」



「代わりにその女性の身柄を、という意味で自分に向けた言葉なのかもしれませんが。

ただ............もしもの時は頼む、と」



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あなたにお伝えするべきかと思いました、と。



風見警部補の言葉を頭の中で反芻する。



...組織に、ノックだとバレた？



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「、くそ...」



「ちょ...何してるんですか、」



「組織のデータベースに侵入する」



「な...落ち着いてください！」



「前にも一度だけ入った、きっとうまく」



「Aさん！！！！！」



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風見警部補に両肩を掴まれる。



彼の目は真剣そのものだ。



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「降谷さんは、あなたにそんなことをしてほしいわけじゃないでしょう...！

それに...あの人なら、大丈夫です...！」



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普段は私に声を荒げたりしない彼が



珍しく大きな声でそう言ったことで、我に返った。



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「ごめん......ちょっと冷静じゃなかった」



「いえ、自分も出すぎたマネを...」



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彼の優しさは、つくづく公安の人間らしくないと思う。



ううん...彼だけじゃない、景光も...降谷も。



大丈夫だとか死なないだとか。



上の人間からしたら青い、甘いと言われそうなことを



だけど本当にそう信じて疑わない。



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「...彼女の記憶を取り戻せばノックリストを奪い返すことができるはず」



「はい。では、自分はこれで」



「うん......気をつけてね」



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そして私は...そんなみんなに絆されたのだ。



もう、これ以上...思い出はいらない。



ほしいのは.........前に進むための光。



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