【名探偵コナン】メリー・ウィドウ【降谷零】

13．カーディナル ページ13

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ベッドに身体を横たえ、仮眠を取ろうと試みても



またあの夢を見るんじゃないかと



なかなか眠ることができないでいる。



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資料室の天井、その白い蛍光灯を見つめながら



自分の目的を忘れないように



あの日の記憶を呼び起こす。



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『誰かゼロと連絡の取れるヤツはいないのか！』



『本人に繋がるのが一番いいんだが...っ』



『それが、何度も架けてるのに応答しな......あ！？』



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あの日、やっと繋がった電話先の彼は



死を目前にした人間とは思えないくらい



いつも通りの彼で。



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『ごめん。ちょっと電波が悪くって』



『ひろ...、景光...無事！？』



『信用ないな...第一声がそれ？』



『対象の自宅にはもう...』



『..................いや、まだ...何かあった？』



『詳しいことは後で話すからすぐに戻って...入っちゃダメ！』



『......了解』



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言うことを聞いてくれたと思ったのに。



それは、ウソのつけない彼の



精一杯の...優しいウソだった。



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『あ、そうだ』



『何？』



『お前のあの、すげー具の入ってる豚汁...また作ってよ』



『...そんなのいくらでも作ってあげるから早く帰ってこいバカ』



『はは、じゃあな』



『うん』



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結局、それから彼に会うことは叶わなかった。



ゼロと連絡の取れた風見警部補から告げられた



彼が殉職したという言葉が未だに信じられないのは



亡骸すら見ることができないままだったからだろう。



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忘れられないのは



景光が残した最期の愛の言葉と



戻ってきた降谷の、あの感情の無いアクア・グレイの色。



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私は...私のため。



そして景光と...降谷のため。



必ず組織を潰し



景光の命を奪った、あの一件の犯人を



捕まえなくてはならない。



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