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「 あれ絶対私に向かってやってた 」
少し離れたベンチに瑞希と二人腰掛ける私はというと、絶賛頭を抱えていた。
青柳くんが司先輩の元へ感想を言いに行ってそこそこ経つというのにまだ余韻から抜け出せていないのである。
勿論一緒に行かなくて良いのかとお誘いもされた。
が、しかし今の私にそんな余裕はなかった。
恐らく休日ということもあり家族連れが多い中こんな賑やかな集団がそこそこ前に座っていた為気付いたのであろう。
目が合ったのだ。
「 目が合うだけなら許せた。
でもっっ、先輩ウィンクしてたって ..... 」
ファンサじゃんそんなの。
こういうのは勘違いした者勝ちだと誰かも言っていた。もしかしたら隣の瑞希に向かってやっていたかもしれないし私の前にいた小さな子にしていた可能性もなくは無い。
が、そんな事は関係ない。
もう一度言うが勘違いした者勝ちなのである。
「 尚更類の所に行かなくて良かったの？
せっかく感想伝えるチャンスだったのに 」
いつものように笑ってる友人はまさに他人事。
そんなこと言われてもこんな姿見られたくないのと何よりも言いたいことが纏まっていない。時間をくれ。
「 青柳くんたちが戻ってきたら一旦甘いものを食べよう。
そして今見たショーについてみんなで語るのって大事だと思います私。どう思いますか瑞希さん。」
「 え ？ あ〜、そうだね。
お腹も空いてきたし何か食べても良いかも。弟くんたちが戻ってきたら提案してみよっか 」
15時前後なのでおやつの時間といったところ。ショーを見ただけ、という訳ではなくそれまでに散々はしゃいで居るので程よくお腹もすく頃である。
軽食を挟むのも一つだろう。
後半の部分については華麗にスルーを決められたがいつもの事なので気にはしない。
何食べようかなぁというのは頭の片隅に、いまだに大半をしめるのは先輩のこと。
普段とは違った一面、もしかしてこれがギャップ萌えってやつ？
はたして目的のナイトショーを見た私はどうなるのだろうか。
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作者名：水瀬 | 作成日時：2023年1月22日 10時
