▷ 8 ページ8
.
ご機嫌いかがお過ごしでしょうか。
あの後無事にナイトショーでもしっかり射止められ、帰りには定番だけどみんなで観覧車に乗ってバイバイをした。
青柳くんには申し訳ない事をしたけど、終始私が騒いでただけな事もあり幸い高さに気は向かなかったらしい。
.... 多分。
そんなこんなでフェニランでの余韻に浸る暇もなく、日は過ぎていくので気が付けば学校も始まるわけで。
退屈な授業に普段となんら変わらない日常である。
いや今のやっぱ嘘。
ひとつ変わったことがある。
「 あ、あれ先輩じゃね ？ 」
「 どこ。嘘だったら許さないよ 」
窓を見ながら適当な事を言い出す東雲くん。
何を言ってるんだと思ったけれど、とりあえず気になって覗きはした。
そう、そこには先輩。本当に居ると思って眺めていれば熱い視線を送りすぎたのかこちらを見てきた。
え？見てきた？
きっとまた何かをやらかしたんだろう、司先輩が神代先輩の名を呼ぶこの光景に隣の彼含め、周りは嗚呼またかなんて反応。
私にはそれが入ってこないくらい夢中だった。
だ、だって今、今、、、！！！
神代先輩が手を振ってきたんだもの！！！！
「 っぁ、え、え？どうしよう、」
手を振り返すという行動でその場をなんとか乗り切ったものの、反射のように隣の東雲くんに助けを求めるような声を上げた。
そう、変わったことっていうのはこれ。
今までだってそう仲が悪かったとかでもなくそこそこ良い方だったけれど、向こうからこうやってアクションが起こることは無かった。
なぜこうなったのか私には分からないが少しは日常に加えて貰えた、、てことだろうか。
「 それなら、どうもしなくて良いんじゃねーの 」
「 は？ 」
そんな話をしていたのもつかの間。
「 一色くんはいるかい ？
少し匿って貰えると .... 」
いやどうしてこうなってる？
私の中では既にキャパオーバー。
今はちょうど昼休み。
今日はいつもより人も少なかった教室、そんな中人を見つけることなんか容易いことなのか。
私の返事を聞くまもなく近寄ってくる先輩。
私から行くのと、向こうから来るのは別なのである。
もう一度聞く。
ご機嫌いかがお過ごしでしょうか。
私は今年の運を今全力で消化しているのではないかと疑心暗鬼に駆られている日々です。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水瀬 | 作成日時：2023年1月22日 10時
