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それは突然の事だった。
「 あ、そうだ。今週末暇？暇だよね？ 」
傍から見れば仲睦まじく談笑をしていた俺たちではあるが、それもこの一言を最後に主に俺の態度は一変しただろう。
なぜなら俺は知っている。
この問いかけからはじまるお誘いというのは８割ろくな事では無いという事を。
隣の席のこいつとは入学してからなにかと縁が有り、仲のいいクラスメイトではある。
冬弥の方を少し見てみれば不思議そうな顔をして、何かあるのか？と話を進めようとしている。
「 よくぞ聞いてくれました！
フェニラン行こう、みんなで！」
調子よく立ち上がった隣の席のアイツは俺たちの前にチケットを4枚突き出した。
「 あともう1人は誰誘うんだよ、俺ら3人だけど 」
経験上、断ったところで無駄な事をよく知っている。
はぁ、と深い溜息を一つつけば1枚余ってしまうチケットの行方について問いかけた。
「 その辺は大丈夫だよ。本当は東雲くんに声をかけて、お互いに1人ずつ誘おう、って予定だったんだけど ....
東雲くんが誘うのはきっと青柳くんでしょ？あと一人は私が誘ってくるから任せて 」
「 そうか、俺は構わないが .... それに、フェニランと言えば確か司先輩たちのショーがあったような 」
「 は .... ？ まぁ冬弥も予定が無さそうだしな。断る理由は無いか 」
俺を置いて進んでいく会話。
そうだこいつら、ワンツーに懐いてるから話も合うのだろうと納得をしてスマホの画面に視線を落とした。
練習も休みでタイミングは完璧。
再度ため息をつき、先程とは変わって俺が2人の会話を聞き流して暫くした頃に鳴ったチャイム。
この後小テストじゃねーか。
結局殆どしゃべって終わっちまった。
「 大丈夫だ、2人ならきっとできる 」
まぁ小テストだしな。ありがとうと礼を述べ隣の教室へと戻る冬弥に向かってひらりと手を揺らした。
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作者名：水瀬 | 作成日時：2023年1月22日 10時
