【続き】 ページ36
次の日。
さっぱり何も起きなかった。
紙は詰まってないし。
ものは戻ってきたし、なくならないし。
何事か。
それから1週間。
ずっと何もなかった。
そして俺がイジメられなくなり9日が経ち、10日目。
久しぶりに作動した嫌な予感が現れた。
夢まで見た。授業中に寝るからだが。
誰かが消える夢。
屋上で。
それはそれはひどく寒気がした。
その時坂間が居なかった。
屋上へ走った。
持ち前の速い足で。
間に合った。
手を離す直前だったみたいだ。
俺の気配に気づきこちらを向いてこういった。
「ごめんね。何もできなくて。
よくこんなの耐えれたね。頑張ったと思う。僕は無理だった。
バレちゃったから話しちゃお。君のために行動してみたんだ。
いっつも守られてばっかりでさ、もう嫌なんだ。
だから助けたかった。いつか僕を助けてくれた君みたいに。
さあ。目を瞑って。3秒数えてね。」
まあそんなこと聞いたら普通焦るよな。
でも俺は焦らなかった。いや焦れなかった。
思ったより感情が腐ってたみたい。
俺がぼーっとしている間に彼は消えてった。
俺の視界から。
いや違う___消えたんだ。
この世界から。
「ありがとう」
と言いながら。
その時やっと気づいたんだ。
たった9日間だったけど俺が平和にいれたのはあいつのおかげだって。
俺はあいつに生かしてもらった。あいつの優しさに漬け込んで。
そんな俺が憎くて憎くてしょうがなかった。
こんな思い出消えて無くなってしまえば。
そう思った。
けど、絶対消えないんだ。
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作者名:雨が降る | 作者ホームページ:http://無し。
作成日時:2018年5月19日 18時