検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:7,031 hit

#25 異常 ページ28

玄関の方に目をやる。
__人間さんだ。

「あ、水色くん。ただい
『水色〜〜遅いぞ〜〜』

……あ。」

と、人間さんの声に被せるように、赤が寝室から声を出す。

僕はちょうど、人間さんがいる位置の直線上にいた。つまり人間さんから丸見え。そして、赤の声も丸聞こえだった。






__修羅場。焦り。

これまでに、赤が僕に怒って雰囲気がピリついたり、殺意らしいものを感じたりしてきた。散々焦ることがあった僕だけど、正直なところちょっと慣れてきていることもあった。

__今まで以上。船での全滅の経験並の危機感。下手したら、それ以上の危機感や焦りが今ここにある。
汗が出てくる


「……今のは?」

(っ……いや、その)


『……帰ってきてるのか、あいつ』


無愛想に言う赤。



__おかしい。
玄関が開いた音も赤に聞こえているはず。人間さんが喋った時、合わせたように喋り始めて、自分の声を強調。最初から人間さんが帰ってきてるのは気づいてるように思える。

なのに、今気づいたような言い方。
__赤はわざと声を発した?自分から気づかれにいったのか?なんで?


わからない。冷静になれ僕……







赤が寝室から出てくる。
とても気味の悪い笑顔。


『おっと。帰ってるのか。__ 初めまして、だな』

「っ……赤くん……。初対面じゃ、ないよ」

『まあまあ、こうやってコミュニケーションをとるのは初めてだろ?』

「………」


その場で立ち尽くす人間さん。
時間が止まったような感覚。静寂が流れる。


………



『……なぁ。






__お前、俺が“インポスター”なの知ってるだろ?』


ナイフを取り出し、人間さんと距離を詰める赤。
雰囲気で感じた。本気で人間さんが危ない。


止めなきゃ


(……ちょ、ちょっと待って、流石にダメだって、落ち着いて赤、ねぇ)

『来るな。邪魔だ』


ドンッ


冷たく言われると、思いっきり突き飛ばされた。
床に叩きつかれる。痛い。

(っ……)


「あっ、水色く__」



『お前はこっちに集中しろ』







ドガッ


「ッかはっ゛……」





(っ……人間さんの……腹をグーパン…??)


すぐに状況を飲み込めなかった。
赤が、殴った。人間さんを。突然のことに驚くことしかできなかった。
体が思うように動けない。


僕は改めて感じた。






__異常。赤は本気だ。

生存報告→←#24 パシリ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
26人がお気に入り
設定タグ:amongUs
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小寒 - 凄くいいので早く続きを読みたい… (10月6日 21時) (レス) @page29 id: cb2d68e6ae (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - あ、ID違いますが中身は同じです… (2023年4月7日 18時) (レス) id: b483d92de2 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ - コメントありがとうございます。そう言ってもらえてとても嬉しいです。現在復旧中…もうそろそろできそうです! (2023年4月7日 18時) (レス) id: b483d92de2 (このIDを非表示/違反報告)
リース(プロフ) - コメント失礼します!書いていたデータ飛ぶのマジ萎えますよね...(私も飛んだ事あるので)そしてこの作品好みです!がんばってください! (2023年4月4日 18時) (レス) id: db830d80cd (このIDを非表示/違反報告)
朱欄(プロフ) - いえいえ!あの漫画が面白くアレンジされててすごく好きです!応援してます! (2023年2月12日 22時) (レス) id: efb6a7397d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くらげ | 作成日時:2021年9月2日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。