進路について ページ32
「私は…Aお姉ちゃんの通ってる高校に行きたい」
「…だそうです、先生」
「な…バカなのか鈴野！」
別にどこ行こうが個人の勝手だろ。
そんくらい選ばせてやれよ。
そもそも他人が決めんなよ。
「…貴方は何者なんですか。
普通の高校に行っているのでしょう？
でしたら、妹が超名門高校へ行けるのを泣いて喜ぶはずです！」
「…私は、今、普通の高校に通っています。
ですが、元々は名門高校に通っていました。
貴方も聞いたことがあるはずです。
北海道の超名門高校ですよ。
私はそこのトップを取っていましたが…つまらなくなった」
「…つまらない？」
「ええ、つまらない。
友達も作れずに、ただいじめられる。
そんな高校にいるくらいならば、普通の方がよっぽどいい。
私は、楽しかった、という思い出を幽凪が作れたならばそれでいい」
「……後で後悔しても知りませんよ」
「それは私が決めることではありません」
「…では、本日はお越しいただき、誠にありがとうございました。
鈴野、また明日な」
「はい、さようなら」
「こちらこそ、ありがとうございました」
型にはまったセリフを読み、教室から出る。
大きく伸びをしていると、幽凪に話しかけられる。
「…ありがとう」
「あ？いや、別に」
「…それより、お姉ちゃん、どうしたの」
「んー？あぁ…」
今まであったことをざっくり話す。
あ、制服取りに行こう。それとカバンも。
というわけで保健室。
もう乾いていたようだったので、受け取ってお礼を言う。
どうやら、保健の先生に気に入られたようで、また来てね！と言われた。
男の先生だが、どうやらゲイのようだ。
色々相談に乗ってもらえると嬉しい、と言っていた。
外は、まだ雨が降っていた。
先ほどよりはマシだが、まだ雨足が強い。
「…傘入る？」
「いや、いいや。傘貸してもらう」
「そっか」
「…どっか行くか？」
「ううん、帰って課題やる」
「んじゃ、教えてやんよ。
…成績だけあっても邪魔なだけだかんな」
「え？」
「頭が良くても、“当たり前”を知らなければ生きていけない。
…私達は、そうやってあぶれたもんだから」
「…じゃあ、私は大丈夫！
お姉ちゃんみたいに頭おかしくないもん！」
「おー？お前言うようになったな…。
可愛げのねえ奴になったもんだ…」
そう嘆くと、またいろいろ言われる。
たまにはこうやって戯れるのもいいかもしれない。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年5月13日 17時
