クローンになる前、十 ページ17
オッサンはまず機械だけの片割れを造った。
本番で失敗したら、元も子もなくなってしまう。
何十体と、クローンを造っていた。
その間、Aは慎之介の寝床を綺麗にしていた。こんな所で寝たらよけいに病状が悪化する。
慎之介はAの気迫に負けて、ジッとおとなしくしていた。
そんな日が、何日も続いた。
『どうなの？造れるの？』
｢安心しな。アンタらの願いは俺が受け取った。｣
慎｢お前に願った覚えはねーよ。互いの利害が一致したからこうして協力してやってんだろ。俺が願うならAだろうが。｣
相変わらず慎之介はこんな調子だが、身体は正直である。
日に日に体調は悪くなっていった。
『慎之介……』
慎｢なにブサイクな面してんだよ…｣
『おんなじ顔してんのによくそれが言えたね。』
またずっと寝たきりになったのは、オッサンに協力してから二週間経ったくらいだった。
咳も長く出て、身体も細くなっていく。
＊
｢まだ死ぬなよ。アンタの身体の事は把握しきれてないんだからな。｣
慎｢なぁ…それについてなんだが…｣
＊
『ねェ、もし本当に私が慎之介になって、ずっと生きることができたら…何してほしい？』
慎｢そうだなぁ………世界がどうなってんのか知りてェ。あと…｣
『あと？』
慎｢俺らの妹は生きてんだよな？｣
『？うん……生きてる…』
慎｢……その妹からつながって、子孫がいたとしたら………ちゃんと自由に生きることができてんのか知りたい。｣
『………』
慎｢勘だけどよ、これから産まれてくるガキが俺らそっくりだとしたら…なんか悪ィなって…｣
『…確かに。そうだね………分かった。慎之介の願い、受け取ったよ。』
慎｢……フッ…頼んだ。｣
＊
ほどなくして、慎之介はAに看取られながら永眠した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨宿り侍 - ★九尾★さん» こちらにも来てくださりありがとうございます！嫌だなんてとんでもない！リクエストなどがくることはすっごく嬉しいです！番外編、書かせていただきます！！ (2018年3月1日 20時) (
レス) id: 4f270715fd (このIDを非表示/違反報告)
★九尾★(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品は面白かったです それでお願いなんですけどこの日常みたく番外編を書いてくれませんか？嫌だったらいいです とても良い作品だったのでまた続きがみたいなとおこがましいお願いすいません (2018年3月1日 19時) (レス) id: 0ceb133c1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨宿り侍 x他1人 | 作成日時：2018年2月24日 14時
