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2話 ページ2

貴方side



暗かった



眼を開けているのか、閉じているのか



それすらも判らないくらいに暗かった



…私、死んだんだよね



なら、ここは夢?



前後左右、何処を見ても



底の見えない闇が広がっていた



暗くて、寂しくて泣きそうになった



せっかく、治に愛してるって言えたのに



まだ、皆と一緒に居たかったのに



足に力が入らなくなってしゃがんでしまう









ふと、昔のことを思い出した





昔、お婆ちゃんから聞いた話



私の家系、宵闇家は



ある(いにしえ)がある






"亡くなってから一ヶ月後



新たな身体が出来上がれば



四年後に眠りから眼を覚ますだろう"






…私だって信じてた訳じゃなかった



そんな事あるはずないって



そんな都合のいいこと有るわけ無いって



ずっと思ってた



自分の目で見たわけでもないし



ただの言い伝えだと思っていた



それでも、そうだとしても



今はそれにすがっていたかった



現に戻りたい



治に会いたい



涙が流れた



ふと前を向いた



小さいけど確かに光があった



よくある話ではその先に走れば生き返る



そんな事本当は無いかもしれない



それでも、現に戻れる可能性があるなら



治に会えるなら









…夢に抗ってやる!









足を光の方に向け走り出した



小さな希望を胸に抱きながら



















Noside



ヨコハマの中心地近く、ある家の寝室



ひとりの女性が目を覚ました



「…んっ、ん"ん」



欠伸をひとつして彼女は気づく



「…っえ?わた、し、生きて…?」



彼女、もとい柚月は



あの時確かに死んだはずだった



ジイドとの対戦で、胸を撃ち抜かれて



貴方「…ははっ、まさか」



柚月が生きてる理由はひとつ



貴方「"(いにしえ)"は本当だったんだ」



ふと寝台から上半身を起こし、周りを見渡す



そこは生前に柚月が使っていた家だった



ふと、カレンダーに目がとまった



貴方「これは、私の死んだ日?」



カレンダーを見れば、



めくられるはずのないはずなのに



少しも狂うことなく、



柚月の四年後の命日を指している



貴方「私の部屋に入ったって事は…」



柚月の部屋に入れて、



尚且つこの"いにしえ"を知っている者



貴方「マスターしか居ないよなぁ…」



彼だけは知っているのだ



安吾も織田作も、太宰さえも知らなかった事を

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作者名:ぽこぽん | 作成日時:2019年7月28日 14時

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