紳士な女 (ページ35)

今日:21 hit、昨日:1 hit、合計:7,744 hit

御庭番強襲ページ35

帰宅すると剣心と恵、翡翠の三人は部屋に閉じこもり武田観柳一派の話をしている。剣心が質問し恵はそれに応え筆を走らせるのは翡翠だ。

「御庭番衆は？」

「さあ…けど多分十人には満たないと思うわ」

ある程度の組織図が書けると次いで阿片について問うも彼女は舌を出し黙りを決め込む、彼女曰く闘いやすくする為に話すのであって阿片は関係ないのだから要らぬ事は聞くなという。そうしている間に廊下では

「………」

帰ってそうそう部屋に閉じこもってしまった三人の話を聞こうと聞き耳をたてる人物が抜き足で廊下に現れるも庭に居た左之助の声に驚き跳ね上がる。

｢出歯亀はよくねぇな嬢ちゃん、活心流師範代の名が泣くぜ｣

｢だって、だってだってだってだって！帰ってくるなり三人で閉じこもってさぁー！！！｣

泣きながら左之助に詰め寄って大きな声で訴える薫の迫力に無言でそれを聞いていた左之助は彼女たちの頭を撫でながら嬢ちゃんの心配する事じゃないと言うも彼女はそれなら何で出てこないのかと泣き続けている。

｢あいつらの性分だよ、性分。困ってる奴や訳ありのやつを見ると力にならずにはいられない流浪人としての性分さ｣

左之助のその言葉の後に続けて剣は強いのに人に弱く女子供には特に、と言えばそれに同意する薫の表情が変わるもふと疑問に思ったのかそれじゃあ左之助もそうなのかと問うも目の前の彼はただ仲間の仇が打ちたいだけで恵のことはどうでもいいと吐き捨てると同時に部屋の戸が開く音がする。
そこに立っていたのは剣心のみ、彼は左之助に向かって一つ紙の束を放り投げ目を通すようにと告げれば渡されたその紙に視線を落とす薫と左之助は今にも笑いそうな表情で剣心の字の汚さにツッコミを入れている左之助と薫に苦笑いしている翡翠の横で恥ずかしそうにしながらも人の話を聞くようにと言っていたものの直後、真剣な表情で薫に詳細を言えないことと一波乱あるかもしれないという告げる。

「刃衛の時のようなヘマはもう二度としない薫殿も恵殿も翡翠も必ず拙者が守る、だからしばらく目をつぶっていて欲しいでござるよ」

『私は自分のみは自分で守れるんだけど…』

｢まあまあ。…はぁ、わかったわよ。けど事が終わったらちゃんと説明してよね｣

そんなやり取りが終わった後、どこからか弥彦の笑い声が聞こえてくる。皆で辺りを見渡すも姿はない。
そんな中で翡翠が軒下を覗き込むと弥彦の姿があり皆ずっこける。