紳士な女 (ページ21)

今日:28 hit、昨日:1 hit、合計:7,751 hit

決着【夢主視点】ページ21

その剣心の姿に悔しそうに歯を軋ませる喜兵衛、次の的は薫と弥彦だと読み二人の前に立ち塞がる。
私の正体については知らないのだから軽く見られているのだろう、まとめて両足を折れと言う兄の言葉に近づいてくる伍兵衛。

『黙って見ていれば良かったものを…命知らずな奴らだ』

「何？」

『私もまた元長州派維新志士、本来ならば争いは好まないが大切な仲間を守る為ならこの刀の刃も返す覚悟』

そう静かに告げると剣気の中に殺気をほんの僅かに込めて比留間兄弟へと向ければ二人とも冷や汗を流しているものの諦め悪く襲いかかってこようとした為斬左が斬馬刀で伍兵衛に攻撃していた為抜くこと無く終わる。

「俺は負けねェ！絶対に負けられねェ！！！」

「喜兵衛、つくづく救えぬ男だ」

「ほざけェ！この至近距離なら今度こそ」

「飛天御剣流【土龍閃】！！！」

本音としては手を出したかったがお門違いだと判断して静観する事に、気絶しない程度に抑えて放たれた剣心の技を受けた喜兵衛は血みどろで地面を悶え苦しんでいる。

「本当の悪一文字は貴様の様な輩が背負うべき」

『いや、それは私達維新志士…か』

斬馬刀を持つ斬左は剣心へ背を向けたまま決着をつけたいと鬼気迫る表情で顔だけを向けると剣心も赤報隊の生き残りである事を知り左之助を見ると了承し、不殺を誓った剣心が刀を返した。その事実に薫も弥彦も驚きを隠せない様子で開いた口が塞がらないようだ。

「決着をつけようぜ抜刀斎！！！」

「！！何だなんのもりだありゃあ」

「遠心力！」

『持ち前の怪力と斬馬刀の超重に回転の遠心力を上乗せする…斬左にしかできない事だな』

斬左の過去も知っている、だが忘れようとしているうちは剣心に勝つことは出来ないと確信して見届けていると剣心もまた自身には勝てないと静かに言い放てば双方の刀がぶつかり合う音がするも斬馬刀が真っ二つに斬れてしまうも続け様に剣心は強く地を蹴り高く○ぶと斬左の頭へ斬撃を喰らわせる。

「…流石に頑丈だな」

『剣心の【龍追閃】喰らって倒れないなんてな…まあ、立ってるのもやっとって感じだけど』

「今医者を呼ぶから待っているでござるよ」

剣心のその一言で子ども二人がホッとした表情になるが斬左はまだ諦めていない、私にはどこか狂気すら感じるその目を見ていられず目を伏せるも吠え続ける左之助。その後、聞こえたのは人を拳で殴る音と剣心が斬左の諭すような言葉達それで更に逆上、それに対し薫が反論する。