紳士な女 (ページ20)

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いざ対決【夢主視点】ページ20

「不殺なんて甘え考えは今捨てな、さもねえとﾀﾋんじまうぜ！！！！」

斬馬刀を手に仕掛けてくる左之助だが剣心は軽々とその攻撃をかわし一撃を入れる、その攻撃でガタイのいい身体は吹き飛んで砂煙が舞えば剣心の圧勝だと拳を握り喜ぶ弥彦。しかし剣心の表情は変わらず倒れた相手の方を見つめている。

「流石に強えな伝説になるわけだ」

そう言いながら立ち上がる、そこで漸く薫は左之助の強さを理解して焦った表情を見せる。

「私達強さを見誤っていたわ…あの男の本当の強さは
大男を指一本で吹き飛ばす怪力でもその怪力から繰り出される斬馬刀の剣撃でもない。寸鉄を眉間にくらっても微動だにしない異常なまでの打たれ強さよ！！｣

『心配いらないよ、薫さん』

気が気ではないだろう彼女の肩に手を置くと安心させようと微笑み、対峙する二人へと視線を戻す。
｢倒れない者の勝ち｣と言う左之助に剣心は最後まで立っていられてから言えと刀を構え鋭い視線を向けている。比留間兄弟がこそこそと話しているがそんな事に構っていられる余裕はこの場にいる皆に無かった。

「喧嘩第二幕いくぜ！！！」

そう言って斬馬刀を振るった左之助だったが直前まで目の前に居たはずの剣心の姿は無くその場にいる翡翠を除く皆が驚いていると左之助の頭上から声が降ってきた、見れば斬馬刀の上に乗り鋭い目付きで見下ろしていた。

「斬馬刀は超重巨大さ故にどうしても攻撃の型が限られる」

『打ち降ろすか薙ぎ払うの二択のうち一つ』

「『至極読み易い』」

相棒二人の声が重なり言の葉を紡ぎ終えると剣心が動き出し斬撃が左之助へと入る、相手もすかさず反撃に出るがすかさず背をかがめてかわす。そのまま先程の一撃ですぐに立ち上がった打たれ強さを理解している剣心は相手の身体に連続攻撃をしかけると左之助が倒れる。

「飛天御剣流【龍巣閃】」

自身との力の差に勝てない事を悟る左之助に負けを認めて不要な闘いは終わりにしようと告げる剣心、しかし左之助の脳裏には幕末憧れてい人との記憶が蘇り失いかけた闘気が爆発する。

「負けられねェ…。相良隊長に、俺達に赤報隊に悪の一文字を背負わせ正義ヅラしている維新志士には……絶対に負けられねェ…！」

「赤報隊…！」

左之助の言葉に驚いていると観戦していた喜兵衛が懐から銃を取りだし剣心へ向けて発砲したのだ、それを見た薫と弥彦は悲痛な叫び声をあげるが打たれた本人はというと刀の鍔で弾丸を受け止めていたため無事だった。