再始動【薫視点】 ページ15
申し訳なさそうに視線を逸らす平ちゃん、頭を抱え震えている佐藤くんの二人に対し我慢できなくなったのか弥彦は言葉を続けている。正直その時の私は衝撃ので話しの理解が追いついていなかった。
「連中も度を知らないバカだけどよ、こいつらはそれ以下の下衆だぜ」
「大体元門下生って事は辻斬り騒動でしっぽ巻いて逃げちまった口だろてめぇら、今更ここに逃げ込むこと自体お門違いなんだよ!」
弥彦が全てを言い終えると同時に道場の壁が破壊され外に居た連中が中へ入ってくる、匿った私や弥彦も同罪だと言い相手に反発しようとする弥彦を止めて私一人が罪を被れば終わるはずと申し出た。
『おやおや、派手にやってますね』
菱卍愚連隊に近づこうとした時、なんとも場違いな…それでいて頼りにしている人の声が門の方から聞こえてきた。その声○○主にその場にいた皆の視線が集まるとにっこりと笑みを向かべている。
『奥にいる二人が原因の様だけれど、木砲持ち出すのはちょいとやり過ぎだ』
「悪ノリはここまでにして私刑なんて真似止すでござるよ」
突然現れた翡翠さんと後から追いついたらしい剣心に向けて木砲を撃った、その砲撃を二人は真っ二つに斬ってしまった。それを見た菱卍愚連隊は驚き開いた口が塞がらない様子。
「この逆刃刀の逆刃は人以外の物は容赦なく斬り捨てる」
『私刑なんて馬鹿な真似は止めな』
二人の気迫に押されたのか菱卍愚連隊の連中は道場から逃げていき、剣心と翡翠さんに事情を全て説明すると翡翠さんは大きな溜息をつき剣心も普段の穏やかな雰囲気とはかけ離れていた。
「そうか…拙者達の留守中にそんな事があったでござるか」
『良いよ、君達はもう帰りな』
「そしてここの門下生だった事は全部忘れて二度と剣を手にするな」
冷たく突き放す二人の言葉にすごすごと帰っていく二人、最後に二人からは視線を逸らしたまま平ちゃんには怪我を医者に見せるように言うと説いてきた教えが伝わっていなかった悔しさで涙を流す私を慰めてくれる剣心。
「めそめそしてんじゃねーよ、似合いもしねぇ。俺はあんな風にはなりゃしねえからよ」
私たちの横を通りすぎていく弥彦に驚き目を瞬かせていると門下生宣言をされ、悔しかった気持ちは消えなくてもどこか温かい気持ちになれた。
『弥彦はちゃんと受け止めてくれそうだね』
翡翠さんの一言で笑顔になると私の名前を呼び早く稽古だと騒ぐ弥彦の後を追う、小さくも確かな第一歩だ!
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (5月19日 23時) (レス) @page34 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みはる | 作成日時:2021年2月28日 23時