包帯幹部に衝突したら懐かれたんだが【文スト】【黒の時代】

自殺読本　十八頁目 ページ21

Aside






不貞腐れてる





いや、私じゃなくて幹部が






「先生、幹部じゃありません」






幹部…太宰君には読唇術の心得があるらしい








そんなことよりも…






『太宰君、敬語使うのやめてもらってもいいかな？』





「なぜです？」






キョトンじゃないよ、キョトンじゃ





はぁ、ため息が出る






『あのねぇ、普通に考えて私と君は立場の差が大きすぎるの。
だって幹部と下級構成員だよ？親しくなんてなれ無い』






幹部と下級構成員





天と地の差だ





本来関われるようなものではない





それに狙われるのは結局…








「それは……
私と織田作の関係を否定しているんですか？」






いや、失言した






完全に地雷触れた





彼の周り、いや全体の雰囲気が変わったなんて言わずもがな





暗礁の瞳に絶対零度の空気





マフィアらしいね、マフィアだけども






「太宰、」


「織田作、君は黙ってい給え」





友の保護すら薙ぎ払う、か





友情って怖い




怒るのはわかるが、現実を知らなきゃならない



たとえそれがまだ子供でも





だから、私は煽る(鋼の精神)





『…媚を売って、出世して、裕福な生活を送ってさ。
幹部とかの上級構成員と仲良くなるならいっそそれぐらいするのが“自衛”だよねぇ』




「…何が言いたいんだい」




『わかんない？幹部と仲の良い構成員なんて、妬みの対象でしかないんだよ』




特に下級構成員は、ね




「A、もうやめ…」




『この際だからはっきりいうけどさぁ、さっちゃんに回ってる仕事の半分って大抵君のせいだから』








「は、？」




いやいや、それは無しでしょ〜




『わからなかったの？幹部が？見ないふりしてただけじゃない？』




「いや…」




『君への憎悪が、君と仲の良いさっちゃんへの妬みが全部仕事として向けられる』





私もたまに八つ当たりのようにそれがくるし





『不発弾の処理？専用の班あんだろ、わざわざ下級構成員使うなよ』





『ね、わかった？』








幹部と仲良くするデメリット

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