キョウ依存、当てはまる漢字は? gn ページ6
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ピコン、ピコン、ピコン
「あ、」
ミュートにし忘れた携帯から続けざまになった通知音。メッセージの主はなんとなく想像がついている、だかこそ私は「無視」という選択肢をとってその後スマホにくる全ての通知をオフ、メッセージを読まずにスタックとリストも全部消した。
数時間後、定時から1時間ほどの残業を終えて帰宅の準備をはじめる。そういえばと思い携帯のメッセージアプリを開くと赤いバッチに書かれていた数字のおよそ8割がかかれているトークが1番上にあった。
言今日会えますか
言今は電話できないよね
言お仕事中ごめんなさい
通知を切る前に来てたメッセージはこの3件。
言お昼休み入りました?
言声聞きたい、電話できる?
言📞 不在着信
言忙しかった?ごめんなさい
その後お昼過ぎにかかってきていた電話の通知とそれについての許可取りと謝罪のメッセージが4件。
言Aさん明日は暇なんだよね、今日泊まってもいい?
言夕飯なにか食べたいものある?お酒も買っていくね
言会社出る時電話ください
言わがままでごめんなさい、声聞きたいです
向こうの学校が終わったであろう夕方の時間帯に4件。
1日、と言っても大体9時間くらいの間に同じ人から計11件(うち1件は不在着信)のメッセージがくるのは恋人同士という関係において普通なんだろうか、しかもこちらは返信していないという状況。
通算3回吹き出しに書かれているごめんなさいという言葉に本当にそう思ってるのか真偽を問いたいが、まあ、「こういう人」だから仕方がない。
とりあえず既読だけつけて身支度を済ませ、華の金曜日だというのにまだ残業をしている部長に挨拶してから退社。駅までの道のりでようやく電話をかける。
「も、」
「もしもし!」
2コール目で繋がった通話、食い気味に発せられたもしもしからは声色から想像ができる安堵の表情。2コール目は嘘、1コール半だ。
「今会社出たよ、駅に向かってる」
「わかった。電話ありがとう、昼間もごめんね何度も連絡しちゃって」
「ううん、こちらこそごめんね返信できなくて」
「大丈夫、」
声聞けただけでも嬉しい、そう言ってはにかんだ表情がたやすく目に浮かぶ。
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作者名:あまさく | 作成日時:2023年11月8日 20時