友達が追加され……？ ymmt ページ5
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ガタンゴトンと電車に揺られながらの帰宅途中。
「はぁ……」
僕のため息の理由は決して電車で席に座れずに立つことになってしまったからではない。なんなら別に普段から立っているしいつもと同じことをしてるだけ、そういつも通りに。
…
「あ、隣山本くんなんだね！よろしく！」
「Aさん…」
高校生活最後の席替えは好きな人の隣でした。
「よ、よろしくね」
「最後だけど仲良くしてね！あ、あとAって呼んでよー、苗字だとなんか寂しいよ？」
「えぇっ！？」
「あっ、ダメだった…？」
「そんなことないよっ、うん、わかった…A…ちゃんって呼ばせていただく、、」
「あははっ！呼び捨てでもいいのに、でもいいよ。じゃあ私は祥彰くんって呼んでもいい？」
「っもちろん、、」
僕の好きな人Aさ、、、もといAちゃんはいつも元気溌剌とした女の子で学年内にも男女問わず友達がたくさんいる。
休み時間には彼女の周りに常に人がいるし、今はいないらしいけど彼氏だっていたことがある。……まぁ僕が彼女のことを気がつけば目で追ってしまってるから知ってるのだけれど、、、
そんなこんなであの日の席替えから1週間が経った。
長い間彼女に対してなんのアクションもできなかった僕に対して友人からは、卒業前に絶対にSNSの交換をしろ、と口酸っぱく言われた。
「はぁ」
このため息でお察しである通り、僕はいまだに彼女の連絡先を知らない。クラスのグループトークからの追加もできるけど本人の許可なしにそれをするのには気が引けるし、だったら聞けばと思うけど…といった感じでずっとループ状態。
僕的にはただのクラスメートからお互い下の名前で呼び合うことになるという数段階の飛び級をしたためぶっちゃけ満足なまであるけど。
毎日の会話もいたって普通。今日はあったかいねとか、1限眠いねとか。変な会話してその日の夜悶えることになるよりはマシだと思いつつも僕だってそろそろアクションを起こしたい…
「はぁ…」
本日何度目かのため息。幸せが逃げるどころかそろそろ様子がおかしい人に見られかねない。運良く降りる駅に着いたのでそこで下車。
…
朝、僕の隣の席には今日も明るいあの子がすでに座っている。
「あ、祥彰くんおはよう」
今日こそは
「おはようAちゃん」
「今日もいい天気だね〜」
聞くんだ
「あ、あのさ…！」
そして…
『また君に番号を聞けなかった』
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作者名：あまさく | 作成日時：2023年11月8日 20時
