レディー = ハニー = ベイビー izw ページ1
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心地よい春の日差しが差し込む午前11時ごろ、部屋の中に響くのはソファで横になってる俺が本のページをめくる音とキッチンで彼女がカチャカチャとティーセットをいじくってる音。
何ヶ月ぶりかに重なったお互いの休日、しかも2日連続というまあまあな奇跡。お互いいつも仕事をしてるからどこかに行くみたいなデートじゃなくて久々に家でゆっくり過ごそうということになった。
「どうぞ」
色違いのマグをローテブルに置いた彼女はまたキッチンの方に戻りひとつの小さめな瓶とティースプーンを持ってきた。
「ありがとう」
俺は本を閉じソファに座り直した。横にAが座ってそれぞれマグを手に持ってひと口。
昨日はお互い見たかった映画をサブスクで見て、夜はお互い久しぶりだったからめいっぱいいちゃいちゃした。
俺もAも余裕がなくて、そのせいか起きたのはお互い今から1時間前くらい。朝ごはんも遅めだったから付け合わせは特にいらないなと思った。
「アッサム？」
「そう、余ってたのもあるんだけどやってみたいことがあって」
一度マグを置いたAは瓶の蓋を開け中身をスプーンで掬いそれを紅茶に溶かしている。
「あぁ、はちみつ？」
「そう、貰い物でさ全然使う機会がなくて。そしたら友達が紅茶に入れるといいよって言ってたから」
アッサムとかルフナとかがいいんだって、そう言いながらはちみつを溶かした紅茶を彼女が一口飲む。
「ん、、おいしい」
ふわっと笑うA、ああ、いいな、これ。
「拓司もいれる？」
「ん、、、あぁ、いれようかな」
俺のマグにはちみつを溶かす彼女を見ながらこっちを見ないでくれと願う。今さっき彼女の笑顔に身惚れてたなとだんだん自覚していって気恥ずかしい。
暖房をつけなくても過ごしやすい季節になったけどこれじゃなんだか暑すぎる。紅茶のせいもあってか体の芯がぽかぽかしてくる。
「はい、どうぞ」
「さんきゅ」
見つめられながらひとくち、甘さとはちみつの風味が加わってとても美味しい。
「うまいね、これ」
「うん、ハマりそう〜」
テレビをつけて昨日最後に見た映画の続編があることを知ってそれを流すことにした。
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作者名：あまさく | 作成日時：2023年11月8日 20時
